「ヨーロッパでの試合は、現地でプレーする僕たちとすれば移動時間が短いメリットはありますね」
そう話すのは、オランダのフェイエノールトに所属する上田綺世。彼もまた鹿島アントラーズの下部組織から鹿島学園高校、法政大学を経てJクラブへ。その後23歳だった2022年からオランダに渡り、2026年で欧州クラブ在籍歴4年目になる。
上田に対しても欧州クラブと日本代表の往来で感じることを聞いてみた。
「僕はヨーロッパのクラブに戻ったときにむしろ考え方のギャップを感じます。日本人なら、別に年齢の上下関係や礼儀は当たり前じゃないですか。嫌なことではないです。
一方、僕はオランダに行ってもちゃんと自己主張はできる。オランダリーグは若い選手が多いですから、無茶を言ったり、やったりということが多い。日本の選手のほうがクオリティが高いと感じることもあります」
日本代表のチーム内でも、欧州組の増加によって変化があることは漠然と認識されている。3月の英国遠征で興味深かったのは、欧州組最高峰たる存在と、フィールドプレーヤー唯一の国内組である19歳(最年少)の選手の見解が一致していた点だ。
三笘薫(ブライトン=イングランド)に対し、欧州クラブの経験を今の日本代表に還元できているとすれば何かという質問をした。
「チームというか、リーグのレベルの高さですね。日常的に強さ、速さのなかでやっていますから」
最年少の佐藤龍之介(FC東京)に対し、初めて欧州組の選手たちとチームの一員として帯同するなか、何か感じるところはあるかと聞いた。
「僕にとってはイングランドなど欧州の地といえば世界最高峰。しかし欧州組の選手からすれば〝日常〞なわけです。そういった点があらためて感じられました」
期せずして二人とも「日常」という言葉を口にしたのだ。
固定観念がひっくり返った欧州での時間
欧州での時間は、代表選手たちのように暮らさずとも、現地取材で10日ほど過ごすなかでも固定観念がひっくり返ることの連続だった。
筆者自身も1年ほどの欧州在住経験があるが、スコットランドの地で新たに驚くことが多くあった。今回、日本代表が試合をしたグラスゴーでは、取材現場の近郊のスタジアムや試合会場に行く電車代が片道と往復が同じ料金だった。筆者は事情がまったくわからず2度払いをする失態を犯した。
