また、田んぼばかりの田舎町で道に迷った際には、数少ない運行数のバスがキャンセルになるということも起きた。人手不足で運転手が手配できないとドタキャンも平気で起きるのだという。
途方に暮れ、まず飯でも食おうとその田舎町のテイクアウト専門のピザ屋で「ハンバーガー」というメニューを頼んだら、ハンバーグに衣をつけて揚げた天ぷらのようなものが出てきた。
そればかりではない。現地の市街地や駅を飛ぶ鳩からして違った。人を恐れずに、ガンガン低空飛行をしてくるのだ!
まず自分のことを優先する人たち
人が関わってのハプニングも起きた。
日本代表が今回もっとも多く練習会場として使用したスコットランドのダンバートン・フットボールスタジアムでは、小さなクラブながらにパーカーやシャツ、ニットキャップ、ユニフォームなどのグッズが販売されていた。
日本のメディア陣も宿のあるグラスゴーから小一時間かけて3日間連続で通い、そこで選手の話を聞いていったとなれば、その場所に情も移るというもの。取材最終日に「子どものお土産に」「自分が着たい」とおしゃべりをしつつ、各自が購入するものを決めた。
ところが。いざ、お金を払おうという段になって、レジ係の女性が友人とのおしゃべりを止めない。たしかに買い物の決断までに彼女を少々待たせはしたが。その場で待っている日本メディア陣に対して「あと1分ね」と断りつつ、同世代と思しき友人と延々と話を続ける。
欧州では本当によくあることだ。まず自分のことを優先。あるいは自分が今、話している相手との対話を大切にする。筆者もドイツの大型家電量販店でカメラを買うのに30分以上どのスタッフからも質問を聞いてもらえず困惑したことがある。
この日のスコットランドでも、不満ではないが「やれやれ」といった雰囲気が漂った。
「えーなんで?電車の時間がやばいよ」
筆者はその様子を眺めながら、日本のメディア陣に言ってみた。
「彼女の上に、神様がいてつながっているんですよ。自分にはめっちゃ尊厳があると思ってる。だから自分優先。そう考えたらこの行動も、理解できませんか?」
「あーそうか」という表情が見えた。あ、これ、著書で言いたいことを簡潔に言っているのかも。そう思った。

