東洋経済オンラインとは
ビジネス #変わり続けるロングセラー

「消しゴムのデザインを使うのは違和感」と社内では不評も…4500万本突破のバカ売れ商品に「MONO」シャーペン開発の舞台裏

9分で読める
「MONO」シリーズ
「MONO」ブランドの誕生から63年。なぜこれほどのロングセラーを実現できているのか(写真:株式会社トンボ鉛筆)
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

一方で、頑なに「変えなかったもの」もある。まず、オフィス文具はエビデンスに基づくマーケットインが徹底されていること。また、「日々の知的活動を完璧にサポートする、シンプルでスマートなデスクの右腕」というブランドの本質。さらには、青・白・黒という視覚的なアイデンティティは、商標登録を行ってまで守り抜いている。

80年代に掲げた「労働から創造へ」は、今も通じる

ワープロやコピー機などのOA機器が導入され、オフィスワークの効率化が進められた1980年代。同社が掲げたコンセプトは、「労働から創造へ」だった。時代はめぐり、AIが台頭している現在、オフィスワーカーには人にしかできない「創造力」が求められている。

応接スペースには創業者の小川春之助氏と、伴侶の小川とわ氏の像が飾られていた(写真:筆者撮影)

「今思えば、『まだ早かったな』という商品が、うちは多かったりするんですよね」

取材中、亀井さんがポツリとこぼした言葉が、耳に残っている。「人気が出なくてすぐに消えた商品だから、名前は思い出せないけれど……」と言っていたが、確かにそうした製品があったのだろう、と妙に納得した。なぜなら、昭和に掲げられた標語が、令和になった今でも色褪せるどころか、ひしひしと実感を伴って迫ってくるからだ。

創業者である小川春之助氏は、シンボルマークを刻印した鉛筆を「銘柄鉛筆」とし、業界で先駆けて発売した人物だそうだ。「従来の慣習にとらわれず、進んで新しい物事に取り組もうとする姿勢は、トンボ鉛筆のDNAに深く刻まれている」——取材を終えた帰り道、その思いがしばらく頭を離れなかった。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象