さらに電子制御燃料噴射「PGM-FI」を採用した点も見逃せない。ホンダが現在も採用する同名システムのいわば元祖で、F1で培った技術を投入。小型・高回転型ターボチャージャーの高出力化に対応し、高い燃焼効率の実現などに貢献した。
83年発売のシティ・ターボⅡ
そして翌83年、今回の主役シティ・ターボⅡが発売。1.2Lクラス初のインタークーラー付きモデルだ。インタークーラーとは、ターボなどの過給機で圧縮されて高温になった空気を冷やす熱交換器のこと。冷やすことで空気の密度を高め(酸素量が増加)、エンジンの燃焼効率とパワーを大幅に向上させる役割を果たす。
これにより、シティ・ターボⅡの最高出力は、シティ・ターボの100PSをしのぐ110PSを実現。車両重量735~745kgという軽量な車体と相まって、鋭い加速力と軽快なハンドリングを実現した。
今回、展示車は特別にエンジンルームの撮影も許可されたが、筆者的にとくにグッときたのは、赤いエンジンカバーだ。ホンダのスポーツモデルを象徴する意匠だが、代表的なのは97年発売の「シビック タイプR」に搭載した「B16B」型エンジン。可変バルブタイミング・リフト機構「VTEC」を採用したエンジンで、低・中速域での太いトルクと、高回転域まで一気に吹け上がるパワー特性を両立。全域で走りを楽しめる名機として、今でも語り継がれている。
だが、シティ・ターボⅡの時代は、まだVTECは存在せず、こちらは「ニューコンバックス」と呼ばれるエンジンだった。シティから採用された軽量コンパクトで高効率を実現したエンジンを、ターボ化によりアップデートしたものだ。実際、シティ・ターボⅡの赤エンジンカバーには、「COMBAX TURBO(コンバックスターボ)」のロゴが刻まれており、ターボ車であることをアピール。まさに当時のスポーツモデル好きを虜にする演出だったことがうかがえる。
