レベル5の子にアウトプットをさせても、出てくるのはレベル5以下のものでしかない。読解力も表現力も、自分より上のものを浴び続けなければ上がらない。
国語力を鍛えるに際し、理想的なインプットとアウトプットの比率は、感覚的には「19対1」くらいである。圧倒的に、インプットなのだ。本でも、漫画でも、ノベルゲームでも構わない。
自分よりちょっと上のものを、量として浴びる。中二病的な背伸びでいい、むしろ背伸びこそが国語力の母である。子どもにアウトプットばかり要求して、インプットの環境を整えていない家庭は、収穫だけして肥料を蒔いていない畑に似ている。
「親が読めば子も読む」は嘘
ここまで読んで、「結局、親が読書好きの家庭は子も読む、というよくある話か」と思った方もいるかもしれない。半分はその通りで、半分は違う。
正直に言って、親が読んでいるだけで子どもが自動的に読むようになる、というほど甘くはない。これは私もいろいろな家庭を見てきて、はっきり感じている。
ただ、ここまでお伝えしてきたような「自分への正しい読ませ方」——長さを短くして難易度を上げる、白い部屋を作る、スマホをロッカーに預ける——を知っている親は、当然その知見を子どもにも応用できる。逆に、自分自身を本に向かわせる技術を持っていない親が、子どもにだけそれを要求するのは無理筋というものだ。
そして何より、これだけは譲れない。少なくとも、同じ「学びのプレイヤー」として、親も読書を楽しんでほしい、ということだ。子どもに本を読ませたいのに、自分は本を全く楽しんでいない。この状態で子どもの読書習慣が育つことはない。
逆に親が「うわ、この本むずい!でも面白いなぁ」と唸っている家には、いつか必ず子どもがその本を盗み読みに来る。
「本を読みなさい」と言う前に、今夜スマホを別室に置いて、薄くて難しい1冊を開いてみてほしい。それが、子どもの国語力を伸ばす、おそらく最も確実な道である。



