デコちゃんはメイドとして活動するうちに、「かわいい」「笑顔に会いたくて来た」と客から声をかけられるように。あるときは、横浜から訪れた25歳の男性グループに「推しです」と言われた。
「このパンパカパンの体で『かわいい』とか言われると、最初は『へ?』って感じでしたけど、やっぱり嬉しいですよね」
いつのまにか落ち込んでいたことなどすっかり忘れ、元気を取り戻していたという。
取材の日は、「リカちゃん」と「ミコちゃん」の娘が、孫を連れて東京から訪れていた。「知らないうちにオーディションを受けていたんです」と笑うリカちゃんの娘は、今ではこれをきっかけに帰省をして地元の友達と交流する。3歳の孫は「おばあちゃんかわいい」と話し、リカちゃんは満面の笑みを見せた。
「メイドになりたい」シニアが続々と
現在8名だというメイドはどう募集していったのか。
2024年当初、メイドは前述のデコちゃん・ココちゃんの2名のみで、月1回、2時間の営業だった。
この頃の客の一人が教えてくれたのが、本家のメイドカフェでおなじみの「おまじない」だ。メイドカフェでは、注文した料理に「おいしくなあれ。萌え萌えきゅん」という声かけをするパフォーマンスが一般的だった。
本家を経験したことがなかった横倉さんは、デコちゃん、ココちゃんとともに前橋のコンセプトカフェを訪れ、アイディアを膨らませた。
「三途の川」と「冥土弁当」は横倉さんのアイディアとしてもともと用意していたが、相談する中で、より「冥土喫茶」らしくしようと「萌」の字を「喪」として、「喪え喪えきゅん」のおまじないを考案。トイレを「極楽浄土」と表記したり、お冷を「お清めの水」と呼んだりと、笑えるアイディアを少しずつ取り入れていった。
