運営には、食事の材料代や駐車券、水道光熱費などで1回当たり6万円程度の費用がかかる。これまでは休眠預金活用事業の助成金を充当することで不足分を補填してきたものの、助成は2025年で終了。
2026年からは独立行政法人福祉医療機構(WAM)からの助成が決まったが、寄付制に切り替え、さらに地元企業からの協賛金も得られるようになり、持続可能な運営体制が整いつつある。
調理体制も、賑わいの拡大に合わせて変化した。立ち上げ当初は、店長の横倉さんとメイドのデコちゃん、ココちゃんが調理を担当していたものの、客数の増加にともない、地元のぐんま未来大学の栄養学科に協力を要請。取材の日は、教員2名、学生2名が調理を担当していた。
メニュー開発を担う島田美樹子先生によると、毎回リーズナブルに手に入る食材を使って、季節感や塩分などを配慮してメニューを作成。完全なボランティアだが、「学生にとっても就職するイメージを持つのに役立っている」という。
この日のメニューはカロリー496kcal、塩分は2.8gで、タンパク質も15g摂取できる。栃木から2時間かけて訪れたという60代の女性二人組は、「おにぎりを2個食べてカロリーが500kcalっていうのが嬉しいですね。優しい味付けでおいしかったです」と話した。
「推しです」「かわいい」と言われることで輝くメイド
今もメイドとして活躍する前述のデコちゃん(68)は、立ち上げ前、キッズバレイの移住支援事業の担当になり、難しい言葉や理論の話についていけず、落ち込んでいたという。
もともとフレンチレストランでの接客や学習塾の経験もあり、人と関わることが好きだったため、冥土喫茶の話を聞き、「これなら役に立てるのでは」と快諾。意外にも、フリフリの衣装に抵抗はなかったという。「冥土」という当て字も「笑えるいいネーミング」だと感じた。
「今思い返すと最初の頃は引く方もいらっしゃったけど、メディアの影響もあって、『楽しんでいいんだ』と思ってくださるようになって。まずこの格好(メイド服)を見て笑って、三途の川で笑って、お清めの水でも笑って……笑うポイントがいっぱいあるのもいいのかなと思います」
