先述した「銀座通り」の再現のように、「“東京の代わり”でも大歓迎」という潔い撮影受け入れ姿勢が北九州の特長です。逆に東京では成しえないシーンの撮影が可能になるからこそ、多くの作品のロケ地として選ばれているのです。
映画『図書館戦争』(13年)でも、磯崎新氏設計による「北九州市立中央図書館」が「関東図書基地」として撮影され、現在でも多くのファンが訪れています。
また、北九州の1つの特徴として、官営八幡製鉄所から綿々と続く「モノ作りの街」は外せません。
映画『ロボジー』(12年・ミッキー・カーチスさん、吉高由里子さんほか出演)では、矢口史靖監督によってほぼ全編北九州市内で撮影が行われ、市内のロボット工場で開発されたロボット「ニュー潮風」が登場します。
安川電機などの地元企業、そして村田製作所などモノづくり企業の協力も得た、北九州ならではの魅力の詰まった作品です。
門司港のレトロさが放つ「旅情」
そして、小倉駅から電車に乗り、本作『コンビニ兄弟』の舞台となった門司港へ。途中の門司駅からは、本州側の下関に向かう「関門トンネル」が分岐します。
行き止まりの門司港駅は、1891年に開業した九州の玄関口です。JR鹿児島本線の始発駅でもあり、ネオルネサンス様式の重厚な駅舎は、1988年に駅舎として初めて国の重要文化財に指定されました。
門司港駅に隣接しているのが、「九州鉄道記念館」です。記念館の横から和布刈(めかり)地区までを結ぶ「平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線」では、3月から11月までの土日祝日にトロッコ列車「潮風号」を運行しています。港周辺を周遊するのにおすすめのルートです。
そして、門司港の風景として象徴的なのが、本作でもたびたび登場する関門橋が望める岸壁。ここは、高倉健さんの遺作とも呼べる映画『あなたへ』(12年)で、高倉さん演じる主人公が亡き妻を思いながら歩くシーンで使われ、以来「高倉健さん埠頭」と呼ばれてファンに親しまれています。
