今年のXiaomi 17Tシリーズが5月発表となったのは、そうした状況を踏まえた路線変更と見ることができそうだ。とりわけ今年9月にはアップル初の折りたたみモデル登場が噂されており、例年以上に情報が過熱する可能性が高い。
シャオミはその渦中で正面衝突するのではなく、「まだiPhoneは噂段階」という時期に自社の話題を先行させることを選んだと言えるだろう。
日本国内市場の事情も、この早期投入を後押ししている。毎年5月から6月は新生活シーズンの延長線上にあり、夏のボーナスをにらんで高価格帯のスマートフォンが動き出すタイミングでもある。
ここに10万円前後のハイエンド寄りの製品をを出せば、「秋まで待たずに買い替えたい」「iPhone以外でカメラに振り切った機種が欲しい」という層を取り込みやすい。結果としてXiaomi 17Tシリーズは、発売時期をずらすことでiPhoneとの直接対決を避けつつ、日本の販売サイクルによりフィットするポジションを取りにいった製品とも考えられるのだ。
ライカカメラの普及を促す
Xiaomi 17Tシリーズの最大の特徴は、いずれもライカと共同開発したカメラシステムを搭載している点である。
Proモデルはハイエンドなチップセットに加え、広角・超広角・5倍望遠という三眼構成のカメラと、7000mAhの大容量バッテリーを組み合わせ、さらにFeliCaによるおサイフケータイにも対応するなど、日本市場を明確に意識した仕様になっている。
一方のXiaomi 17Tも同系統のカメラ構成を取りつつ、ボディサイズと価格を抑えた「ライカ体験の入り口」として設計されている。
価格設定を見ると、その狙いはよりはっきりする。Xiaomi 17Tは8万9800円から、Xiaomi 17T Proは11万9800円からというレンジで、シリーズ全体として10万円前後をひとつの目安に据えている。いわゆるウルトラ級の20万円クラスと比べれば、現実的な価格帯であることは明らかだ。
シャオミは今年3月、ライカブランドを冠したプレミアムカメラフォンとして「Xiaomi 17 Ultra」や「Leitzphone powered by Xiaomi」を投入したが、どちらも価格は20万円を超える高額モデルである。Xiaomi 17Tシリーズはその下のレンジを担い、「ライカカメラに興味はあるが、そこまでの予算は組みづらい」層に向けた提案だと言える。
