SHARE LOUNGEは、地域や建物に人を呼ぶ「集客装置」になりうる。そのため、従来基準では選ばない立地にも出店を行う、多層的な判断軸があるのだ。その結果、出店場所は広がり、商業施設、ホテル、オフィスビル、金融機関と多角化が進んでいる。北は宮城から南は福岡まで57店舗(2026年5月現在)を展開。「文喫」などの提携店を含めると57店舗に達している。法人プラン、多拠点フルタイムプランデラックス会員であれば、代官山 蔦屋書店 SHARE LOUNGEなどすべての店舗が利用できる(多拠点フルタイムプラン スタンダードは代官山など一部店舗が対象外)。
SHARE LOUNGE「次の景色」
2026年2月、馬事公苑店のオープンで、国内店舗数50店舗を達成したSHARE LOUNGE。アプリ会員も55万人を突破した。次なる目標を尋ねると、川口さんは明言を避けた。
「具体的にはお伝えできませんが、社内的には中期計画で目標値を立てています。50店舗まで来ましたので、加速度的に出店を進めて、数年後に100店舗を目指したいですね」
50店舗から100店舗へ。スケールが2倍になった時、SHARE LOUNGEが直面する課題は何だろうか。一つは、地方への展開も含めて立地の選定基準を再定義し続けられるか。もう一つは、フランチャイズ加盟店が増える中で、業界平均より20ポイント低い「FL40%」という物差しを末端の店舗まで浸透させ続けられるか、ではないだろうか。レンタルや書店に代わる主力事業へと育つか否かは、この2つの問いへの答えにかかっているのかもしれない。
ところで、SHARE LOUNGEが急拡大できた理由は、本部主導の標準化だけではない。各店舗が1つ1つ、違う設計思想でつくられているところもポイントだ。なぜCCCはコスト的にデメリットのある「店舗ごとにバラバラ」を貫くのか。
後編では、店舗ごとに大きく異なる"個性"を打ち出す理由、業界異例の女性比率を支える空間設計の哲学、そして、イノゲート大阪に置かれた他店舗にはない独自ポジション「イベント・コミュニティマネージャー」の正体に迫る。
