昨年までDeNAでプレーしたトレバー・バウアーは2020年にダルビッシュ有と競り合ってサイ・ヤング賞を取ったスター選手だ。先進のトレーニング施設「ドライブライン」で自身の投球を「ピッチングデザイン」するなどデータ野球の先駆者としても知られるが、女性への性暴力疑惑を受け、MLBの調査対象となり、出場停止処分を受けた。バウアーは刑事訴追はされず、民事訴訟は和解した。一方でMLBからは規定違反として出場停止処分を受け、処分は最終的に194試合に短縮された。その事件以降、バウアーがMLBで投げることはなくなった。
実力は十分だったが、イメージダウンを恐れてMLB球団は、バウアーにオファーを出さなくなったのだ。DVなど暴力行為そのものもさることながら、その選手を獲得することによるチームのイメージダウンを恐れて、アメリカのプロスポーツは極めてセンシティブになっているのだ。
「オラオラ体質の指導者」ではあるが…
日本のスポーツ界ではまだ「DV」によるペナルティの事案は多くはなかったが、阿部慎之助の今回の問題は、著名な野球人の家庭内暴力疑惑に対する対応として、大きな転機になるかもしれない。ただし、阿部慎之助が日常的に暴力を振るっていたと断じる証拠は今のところない。
阿部家が児相に頻繁に相談をしていた事実は確認されておらず、長女は「警察が来て一番驚いているのは自分自身」とする趣旨の手紙を出している。家庭内のトラブルが、ChatGPTの回答をきっかけに児相、警察へとつながり、大事になった可能性もあろう。
確かに、阿部慎之助は「オラオラ体質の指導者」だとみなされている。2012年の日本シリーズで、投手澤村拓一がサイン違いをしたときに、捕手の阿部がマウンドへ行って澤村の頭を軽くはたいたシーンは生中継中でもあり、大きな反響を呼んだ。それは「暴力」というようなものではないが、先輩選手の阿部が後輩を雑に扱っていると見えなくもなかった。
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【球団が即座に全面謝罪した背景は?】
