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学校でいちばん忙しいのは…担当不明の仕事がとにかく舞い込む「教頭・副校長」、"なんでも屋"を変えるのに必要な視点

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電話対応する中年男性
自分の仕事ではないと思いながらも全部やっているという教頭・副校長は多いのでは?(写真:mits / PIXTA)
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こうした情報共有の可視化は、単なるICT活用ではない。特定の誰かだけが情報を抱え込まないための組織づくりでもある。

“抱え込まない”ための工夫は、自身の働き方にも及ぶ。内海氏は、保護者対応などを除き、原則18時退勤を徹底。「後ろの時間を決める」ことを意識しているという。

帰宅前には翌日の仕事をスプレッドシートへ書き出し、「全部出しておくと安心して帰れます」と話す。副校長自身が働き方を崩せば、学校全体の働き方改革も進まない——。そうした考えが背景にある。内海氏は、副校長向け研修の内容にも課題を感じている。

「制度やルールを学ぶ機会は多いのですが、実際の現場で必要になる組織づくりや人との関わり方を学ぶ機会が少ないと感じています」

内海氏は、副校長研修の中に、より実践的な「組織マネジメント」を学ぶ機会が必要ではないかと話す。

「学校は、教員だけでなく、事務職員や会計年度任用職員、地域の方々も含め立場も働き方も異なる人たちが一緒に動いています。その中でどう関係をつくり、チームとして機能させるかは、とても重要なんですよね」

また、副校長の仕事は、放っておけば際限なく業務が膨らんでいく構造がある。だからこそ、業務整理や効率化、役割分担の考え方などを学ぶ研修も必要だと感じているという。

「結局現場では、“我流”で何とかしている部分も多いんです。でもそれだけでは持続可能にならないと思っています」

内海氏が副校長として最も力を注ぎたいと考えているのは、やはり人材育成だ。重視しているのは、「教える」よりも、「本人が気づけること」だという。

1対1の対話では、進行役が参加者の意見やアイデアをリアルタイムでホワイトボードに書き出し、合意形成や課題解決を効率的に進める会議手法である「ホワイトボード・ミーティング®」を活用している。

「その人の思いを、まず可視化するんです。『ああ、この先生はこういうことを言いたかったんだ』と見えてくる。その人らしい言葉を引き出して、その人自身が次の一歩に気づけるような関わりを心がけています」

副校長という立場だからこそ、教員一人ひとりの背景や悩み、学級の状況まで見える。

「金曜日の夕方、職員室で『今週が終わったね』とみんなが話している姿を見ると、この仕事っていいなと思うんです」

副校長がいなくても回る学校へ

内海氏が目指すのは、「副校長がいなくても回る学校」だ。その背景には、「サーバントリーダーシップ」や「分散型リーダーシップ」に近い考え方があるという。

「トップダウンで誰かが全部引っ張るというより、みんなが円のようにつながって動いていくイメージです。課題によって形を変えながら動けるチームが、一番強いと思っています」

ただ、単に役割を分散するだけではない。内海氏は、チームの中心には、全員が共有する“ゴール”が必要だと語る。

「いろいろな立場や考え方の人がいても、『子どもたちのために学校をよくしたい』という方向を、みんなが見失わずにいられることが大事なんです」

“最後は教頭・副校長へ”という構造が残る学校現場。その中で内海氏は、副校長を「なんでも抱える人」ではなく、人と組織をつなぎ、教職員が目的を共有しながら支え合える環境をつくる存在として捉えている。

2人が目指すのは、「優秀な副校長が頑張る学校」ではない。誰か一人が抱え込まなくても回る学校だ。“最後は教頭・副校長へ”という構造を変えられるか。学校現場はいま、「誰かが支える学校」から、「支え合える学校」へ変われるかを問われている。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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