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繊細なコンテンツの開発にAIはなじみにくかった
――ゲーム業界におけるAI活用の現在地をどう見ていますか。
2016年からの10年間、さまざまな産業にAIが導入された。しかし、ゲーム産業全般におけるディープラーニング(深層学習)ベースのAI技術の導入は、ほかの産業よりも遅かった、という現実がある。
その理由は、デジタルゲームは非常に繊細なコンテンツであることだ。物語やアクションについて、人間が手作業で中身や数字を微調整しながら、絶妙なバランスでユーザー体験を生み出してきた。これからも基本的にその姿勢は変わらない。
大量のアセット(ゲームデータ)を準備して、それを巧みなタイミングでロードしながらゲーム世界を展開してきたが、AIの導入とは、そこに新しいメカニクスを導入することだ。コンテンツのバランスを崩しかねない。それは、巧みに調整された懐石料理に機械が作った料理を一品加えることや、操り人形劇にモーター式のロボットを参加させることに似ている。
何が学習されたかが不明瞭なAIの「ブラックボックス」を組み込むことに対して、ゲーム産業は長い間、抵抗感を持っていたし、現在でも世界的に見て、そういった抵抗感を持つ企業は決して少なくない。
――とはいえ、ゲーム産業にも生成AIはじわじわと浸透しています。
20年ごろから開発現場やゲーム自体に生成AIや言語AIを組み込む世界的な動きが本格化してきた。特に欧米のゲーム開発は技術主導の思想が強く、ゲームの仕組みはエンジニアが準備し、そのうえでゲームデザイナーがコンテンツを作る、という体制が主流だ。
こうしたテクノロジードリブンな欧米のゲーム開発においては、AI技術の導入は水面下で着々と準備されてきた。年に1度1万人近いゲーム開発者が集まるGDC(ゲーム開発者の国際会議)では、22年には少なかったAI導入の事例が、23年から急増してきたという変化がある。
実際には、そうした下準備は、それぞれの企業の長期的な技術戦略に従って22年以前から行われてきた。フランスのユービーアイソフト社は22年にAI導入の基礎設計を発表し、そこから数年間をかけて自社のゲームエンジンに導入し、実際に24年秋にリリースしたタイトルで運用している。
単に導入するだけではなく、自社のゲームエンジンに汎用的な仕組みとしてAIを取り入れている。現在は、AI技術をいかに応用するかをつまずきながら模索している段階だが、ブレイクスルーの成功事例がいくつか出てきている。
ゲーム開発における賢いAI活用方法とは
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