有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ #逆境からの人々

「リストラされた56歳」がレコード大賞を受賞…プライドを捨てた"音楽ド素人"が「三木たかしの5000曲」で這い上がるまで

8分で読める
花畑秀人さん レコード大賞
56歳でのリストラ、約2年間の無収入期間を経て、ついに栄誉を手にした花畑秀人さん(写真:花畑さん提供)
  • 肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト
2/6 PAGES
3/6 PAGES

考えた末に花畑さんが企画したのが、2025年に「三木たかし 生誕80年プロジェクト」を開催するというもの。同年にCDやレコードの発売や、没後30年を迎えるテレサ・テンさんとのコラボなどを行う、一大プロジェクトである。

日本人の誰もが知る名曲を数々生み出してきた三木たかしさん(写真:空ミュージック提供)

では、未発表曲はどのように形にするか。花畑さんが取ったのは、地道で泥臭い方法だった。人に紹介してもらったり、名刺を配りまくったりして、レコード会社や音楽事務所にアタックし続けたのだ。新聞社時代の営業経験が生きた結果と言えよう。

アポが取れたら、絶対に直接会いに行った。300以上の未発表曲のデータが入ったノートパソコンと小さなスピーカーを持って、実際に曲をいくつか聴いてもらう。メールでデータを送るより、確実に曲の魅力が伝わると思ったからだった。

すぐに成果は出なかったが「いい曲ですね。なんでこれ、出なかったんでしょうね」と言ってくれる担当者もおり、この方法は間違っていないと確信した。

「リストラされた56歳のおじさん」だと受け入れた

「音楽業界に大したツテもない、一介のサラリーマンだった自分は“部外者”で、できることは限られているかもしれない。でも、これしかないと思ってやっていました。結局、ベタな行動が一番刺さるんですよね。いろいろな人を頼って、“本流(音楽業界)”にいる人に会うように努力しました。

60年近く生きてきて、もちろんそれまでの経験やプライドもあります。でも、この音楽事業という新しい仕事に関してはド素人。正直に『わかりません』『教えてください』と言って相手の懐に入るようにしました」

4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数