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ライフ #逆境からの人々

「リストラされた56歳」がレコード大賞を受賞…プライドを捨てた"音楽ド素人"が「三木たかしの5000曲」で這い上がるまで

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花畑秀人さん レコード大賞
56歳でのリストラ、約2年間の無収入期間を経て、ついに栄誉を手にした花畑秀人さん(写真:花畑さん提供)
  • 肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト
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新聞社にいた頃はプライドもあってできなかったが、自分を俯瞰してみると、「単なるリストラされた56歳のおじさんなんですよね。その現実を受け止めて、進み続けるしかないんです」と花畑さんは言う。

「生誕80年プロジェクト」とは別に、1つの実を結んだのは23年の秋。パーティで知り合った音楽プロデューサーが、三木たかしさんの未発表曲に興味を持ってくれた。後日、例のごとくスピーカーで聞いてもらったところ、数日後に「今度の新曲にしたい」と言われたのだ。歌手は北原ミレイさん。

スタジオでのレコーディングに立ち会った花畑さんが、目の前の光景を眺めながら胸を震わせたのは言うまでもない。

伊勢神宮に神頼み

では、「生誕80年プロジェクト」はどのように進んでいったのか。

24年9月、花畑さんは大手レコード会社ユニバーサルミュージックの会議室にいた。CDBOX「三木たかしソングブック」の提案をしていたのだ。

“部外者”のやり方で、業界のさまざまな人を頼り、「わかりません」「教えてください」と正直に言い、協力してもらい、ようやくたどり着いた場所だった。

CDBOXがどうなるかわからないまま時間は過ぎ、25年2月を迎えた。花畑さんは実現を願い、伊勢神宮へお参りに行った。すると、信じられないことが起きた。 

「スマホでメールを見たら、ユニバーサルミュージックの担当者から、『社内了承が下りました』と届いていたんです。苦しいときの神頼みと言いますが、伊勢神宮のご利益に感謝するしかありませんでした」

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