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ライフ #逆境からの人々

「リストラされた56歳」がレコード大賞を受賞…プライドを捨てた"音楽ド素人"が「三木たかしの5000曲」で這い上がるまで

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花畑秀人さん レコード大賞
56歳でのリストラ、約2年間の無収入期間を経て、ついに栄誉を手にした花畑秀人さん(写真:花畑さん提供)
  • 肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト
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音源の取り込みがあらかた終わると、曲を1つひとつ聞いて、JASRAC(日本音楽著作権協会)のデータベースやネットでの検索、サブスク音楽配信サービスと照らし合わせるなどして、未発表曲か、発表済みの曲か分類していった。繰り返すが、5000曲を残した三木さんの音源を、である。

花畑さんは当時を、「味のないガムを噛み続けるような日々だった」と回想する。

「とにかくもう、淡々と事務的に整理していくしかありませんでした。でも整理されていないから、同じ音源がいろいろなところから出てきたり、判読不能な楽譜があったり、すごく大変だった。誰に何を相談すればいいかもわからないし、正直、引き受けたことを後悔しました……」

ひょんなことから三木たかしさんの楽曲を管理することになった、花畑秀人さん(写真:花畑さん提供)

300以上の未発表曲という“お宝”

だが同時に、“宝の山”が目の前にある、とも感じていた。

三木たかしさんの楽曲といえば、石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」、テレサ・テンさんの「時の流れに身をまかせ」、坂本冬美さんの「夜桜お七」、「アンパンマンのマーチ」など、昭和から平成にかけて国民的ヒットを記録したものばかり。

当時すでに300以上の未発表曲があるとされていたが、調べてみると、まだまだたくさんあった。作業を続けながら、その楽曲をいかに世の中に届けていくかを考えるようになったという。

演歌や歌謡曲の市場が小さくなっている現代。音楽の楽しみ方も、CDを買うのではなく、ストリーミングへアクセスすることが一般的になっている。このお宝を、いかに世に出すかを真剣に考えなくてはならない。

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