①→②→③の順番で、航空券の金額が上がる代わりにさまざまな制約がなくなる仕組みといえる。
特にSNSなどで議論を呼んだのは①の「シンプル」の事前座席指定が不可というルールである。出発時刻の24時間前のオンラインチェックイン開始とともに座席指定は可能となるので、一部のLCCのような自動割り当て(顧客の希望が介入する余地はまったくない)とは異なる。
だが、従来はいかなる運賃であっても事前座席指定ができたことを考えると「サービス低下」ととらえられても致し方ない点はある。事実ANAの公式アカウントへのコメントには、LCCではないのだから座席指定は無料にすべきといった意見もみられた。
最上級会員も事前座席指定不可
さらにこの事前座席指定不可のルールは、ANAマイレージクラブの最上級会員のダイヤモンド会員であっても条件は同じとなる。いくら上級会員であってもお金を払ってスタンダードの航空券を購入しないかぎり、座席指定については何の優遇もないということになる。
従来は、上級会員であれば、仮に航空券の単価が安くても一律で座席指定などのベネフィットを提供してきたが、その流れが変わったという言い方もできる。
少なくとも「セール」や「シンプル」など安い運賃でANAに乗ろうとする場合、座席指定に関する裏ワザはない。せめて、出発時刻の24時間前にアラームを設定しておき、指定開始が可能になると同時に確保するということくらいだろうか。
もっとも日本国内線の多くは飛行時間が短い。かりに3席の中央席しか確保できなかったり同行者と離ればなれになったりしたとしても、それほど大きなダメージではないと頭を切り換えていくしかないだろう。親子連れなど、確実に隣り合わせになりたい場合は、「シンプル」を購入するしかなさそうだ。
しかし、なぜこのような運賃変更が行われたのだろうか。
これについては、ANAの予約システムの移行という大枠のなかでとらえる必要がある。ANAは1988年から40年近くにわたり、エイブル(able)という予約システムを用いてきた。
しかし、2015年に国際線についてはグローバルなシステムであるアマデウス アルテア(Amadeus Altea)(以下、アマデウス)に移行した。そのため、この10年あまりは国内線と国際線で異なるシステムを並行して運用してきたことになる。
次ページが続きます:
【むしろ自然な流れ】
