歴史的には敬意をもって使われていたこの呼称が、ベテランの女性社員を揶揄する意味で使われるようになったのは、1989年のこと。放送されたドラマがきっかけで、当時の流行語になったようだ。
奇しくも、時代は男女雇用機会均等法が施行され、女性の社会進出が進み始めたころである。寿退社という「常識」が崩れ、職場でキャリアを重ねる女性が増えたことも、このワードが広まる要因だったのだろう。
令和の今、侮蔑的なニュアンスのあるこのワードをあまり耳にしなくなったと思いきや、存在そのものが消えたわけではない。いまどきの若手も、お局さまの存在を認識しているのだ。
リクルートの結婚情報サイトが調査機関を通じて20~30代の男女を対象に2024年に行ったアンケート調査によると、「これまで職場・アルバイト先で『お局っぽい』と感じた人はいましたか?」という質問に、男性の38.3%、女性の66.5%が「ある」と答えている。
それだけではない。「お局さんの属性ランキング」や、「お局さまをどう攻略するか」といったアンケートを、さまざまな企業やメディアが今も行っている。筆者も、Kさんと同じ悩みを打ち明ける管理職にしばしば出会う。
管理職が「注意しづらい」理由
この問題は、解決が難しい。そもそも、管理職が注意しづらいという問題をはらんでいるからだ。
お局さまは、管理職のいないところで威圧的な態度を取る。ゆえに、管理職は、部下から相談されても自身が確証をつかめないため、対応に苦慮するのだ。
また、特に転勤族の支社長にとって、ベテラン社員は「職場のことを何でも知っている先輩」でもある。職位は自分が上でも、その事務所においては後輩。土地勘もなく、仕事の細かい段取りもベテランに頼らざるを得ない。立場が弱いから、叱ることを躊躇してしまうのだ。
加えて、「女性社員との接し方がよくわからない」という男性管理職も少なくない。その結果、問題はますます放置されていく。
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【日本特有の「現象」ではない?】
