1984年、国鉄は東京圏と大阪圏に電車特定区間という運賃を割安にするエリアを設定。さらに東京圏、大阪圏、名古屋圏の私鉄と並行する区間に特定運賃を設定して都市部の運賃の値下げを行う。一方、物価高の影響なのか私鉄各社は1980年代前半に値上げを行ったため、1986年4月号を見ると運賃の差がいくらか縮まる。名古屋圏では名古屋―岐阜間が名鉄と同価格に。名古屋―桑名間も近鉄との差が10円となる。
東京圏、大阪圏、名古屋圏の在来線を運行するJR東日本、JR西日本、JR東海はここから今年の3月13日までは消費税分しか運賃の値上げを行っていない。その間、私鉄は運賃の値上げを行っているため2021年4月号を見ると、品川―横浜間、名古屋―岐阜間、名古屋―桑名間、天王寺―奈良間、天王寺―和歌山間では私鉄の運賃の方が高くなった。特に名古屋圏ではその差が大きく、名古屋―岐阜間、名古屋―桑名間ともJRの方が100円安いという状況となった。
そしてJR東日本が値上げを行った2026年4月号を見ると、値上げ前は京急の方が10円高かった品川―横浜間で逆転が起こり、京急が30円安くなった。渋谷―横浜間は東急との差が広がったが、その幅は120円から130円へとわずか10円だった。差がぐんと広がったのは新宿―八王子間。京王とは5年間で120円差から210円差に。さらに広がったのは上野―成田間。京成とは90円差だったのが370円差となった。
値上げを行っていない名古屋圏ではJRの安さがより一層際立つ状態に。名古屋―岐阜間は名鉄の値上げもあって5年前はJRが100円安かったのが現在は150円安い状況に。名古屋―桑名間もJRの方が170円安くなった。大阪圏でも近鉄、南海がJRより高い状況が継続。価格差は広がりつつある。
長距離は2倍以上に跳ね上がった
長距離区間の料金はどのように変化しているのか。
国鉄時代の大幅な運賃、料金の値上げにより、どの区間も1976年から1986年の10年間で料金が2倍以上に跳ね上がった。ここから先、JR東日本、JR東海、JR西日本は、運賃に関しては消費税分以外の値上げを行っていない。が、料金を見ると、なんだかんだで10%以上値上がりしている。
この値上がりの要因は、新たな特急料金の導入や新幹線の延伸開業の影響が大きい。1992年に登場した新幹線の「のぞみ号」や2011年に登場した「はやぶさ号」「みずほ号」は、これまでの「ひかり号」「はやて号」「つばめ号」よりも高い料金が設定された。また北海道方面、北陸方面、九州方面に新幹線の路線が伸びたことで、これまでは在来線の特急で移動できていた区間が新幹線での移動に変わり、特急券よりも割高な新幹線特急券を買わなければならなくなった。
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