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「構造改革とは、収益構造の改革だ。人員削減は1つの、しかも一時的な手段にすぎない」。5月18日、パナソニック ホールディングスの楠見雄規CEOは都内で開いた合同取材の場でそう語った。
構造改革を実施した2025年度は、売上高が8兆0487億円(前期比4.8%減)、営業利益2364億円(同44.6%減)と大幅な減収減益で着地した。オートモーティブ事業の非連結化や車載電池・家電の減収に加え、約1745億円もの構造改革費用を集中計上したことが響いた。
今26年度は大幅なV字回復を見込んでいる。住宅設備事業の非連結化により、売上高は7兆6000億円(前年度比6%減)と減収になるものの、営業利益は5500億円(前年度比2.3倍)を予想する。構造改革費用の剥落とコスト削減効果が発現し、計2745億円が加算されて利益を大きく押し上げる。
この1年でパナソニックが断行した改革は広範にわたる。グローバルで1万2000人規模の人員適正化に加えて拠点統廃合を実施。25~26年度の利益改善効果は、当初見込みの1220億円から1450億円へと引き上げられた。
事業ポートフォリオの仕分けは、ほぼ決着した。車載機器子会社のパナソニック オートモーティブシステムズは米系投資ファンドへ譲渡。住宅設備のパナソニック ハウジングソリューションズは3月までにYKKへの株式譲渡を完了した。
一連の改革を経て25年5月に1600円前後だった株価は、足元3400円超で推移する。今後の成長領域としては、AIインフラ関連事業が期待されている。
AIインフラ領域で起死回生
一方で「課題事業」に位置づけていたテレビや、「再建事業」としていた白物家電はグループ内に残す。ただし現状維持ではなく、開発・生産の効率化により収益性を高める方針だ。

調理家電など白物家電は量産開発を中国へシフトし、テレビでは欧州販売を中国の創維集団(スカイワース)に移管する。売却が土壇場で白紙となったプロジェクター事業もグループ内に残し、法人向けに特化した高付加価値路線で存続を模索する。
大規模な構造改革の裏で、成長の牽引役と位置づけるのがAIインフラ関連事業だ。パナソニックはこの領域で2つの柱を擁する。
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