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資産も収入もあるのに「住む部屋がみつからない」 60代男性が直面した"どこも貸さない"という過酷な現実

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株式会社ノビシロ代表取締役の鮎川沙代さん
「ノビシロハウス」を立ち上げた株式会社ノビシロ代表取締役の鮎川沙代さん(写真:筆者撮影)
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この発想が、多世代共生型賃貸住宅「ノビシロハウス」の原型となった。

前例のない住宅モデルに誰も理解を示さない

発想をもとに社内外で話し合いを重ね、これまでにない斬新な構想が完成する。

若者が「ソーシャルワーカー」として高齢者と同じアパートに住み、声かけといった日常的な関わりで自然な関係を築く賃貸住宅。若者は家賃が半額になり、高齢者は人とのつながりのなかで安心して暮らせる。暮らしそのものが孤立を防ぐインフラになる仕組みだ。

新たに建物を建てようと考えていたある日、転機が訪れた。ノビシロの役員でもある加藤さんのもとに、近くの金融機関から「アパートを買いませんか」と相談を持ち込まれたのだ。

物件は小田急江ノ島線の六会日大前駅近くにある学生向けアパート。近くには日本大学のキャンパスがあるものの、コロナ禍などの影響で学生が減り、8部屋のうち6部屋が空室になっていた。

「アパートを見に行くと『あおいけあ』所有の更地が隣接していて、合わせると100坪くらいになる。加藤さんから『ここでなにかできないかな』と言われ、プランを書きはじめました。既存のアパートをリノベーションし、更地には新築の棟を建てて2棟がつながるようにしたんです」

費用は億単位でかかる。それも、前例のない新しい仕組みの住宅だ。銀行が簡単に融資を認めるとは思えない。鮎川さんは構想の実現に向けて事業収支計画書を作成し、銀行にかけ合った。返済計画、家賃収入の見込み、ノビシロが借り上げて支払える金額。一つひとつ説明を重ね、融資の審査を通した。

「すべて難しかったです。世のなかにない住宅をつくるわけですから、最初は誰にも理解してもらえませんでした。満室になるまではプレッシャーがありましたね」

うまくいかなければすべて自分の責任。それでも鮎川さんのなかには「絶対に大丈夫」という確信があった。

構想から約1年半後の2021年1月、「ノビシロハウス亀井野」が誕生した。既存のアパートをリノベーションした居住棟は2階建ての全8室で、1階がバリアフリー対応の高齢者向け、2階が全世代対応で若者も住める構成だ。新たに建てた棟には、1階に誰でも利用できるカフェを設け、2階に訪問看護事業者と在宅訪問診療の拠点が入居した。

ノビシロハウスは2階建ての「South棟」と「North棟」で構成されている(写真:筆者撮影)

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【「ノビシロハウス」は半年ほどで満室に】

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