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資産も収入もあるのに「住む部屋がみつからない」 60代男性が直面した"どこも貸さない"という過酷な現実

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株式会社ノビシロ代表取締役の鮎川沙代さん
「ノビシロハウス」を立ち上げた株式会社ノビシロ代表取締役の鮎川沙代さん(写真:筆者撮影)
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といっても部屋はそれぞれ独立したひとり暮らしで、高齢者も若者も自分のペースで生活する。とくに特徴的なのが、若者が「ソーシャルワーカー」として入居し、高齢者と日常的な関わりをもつことで家賃が半額になる仕組みだ。

「目指すのは、高齢者がひとりでも安心して暮らせる住まいです」と語るのは、株式会社ノビシロ代表取締役の鮎川沙代さん(43)。なぜのどかな街の一角に、これまでにないユニークな住宅が誕生したのだろうか。その背景には不動産業界に疑問を抱いた体験と、高齢者の住まい探しに対する強い思いがあった。

左側にノビシロハウス、右側にお茶会が開かれた「カフェノビシロ」がある(写真:筆者撮影)

クリスチャン家庭で育った「人の役に立ちたい」の原点

1982年、鮎川さんは佐賀県で生まれた。クリスチャンの家庭で、聖書の教えがそのまま日常の教科書だった。

「『人に親切にしなさい』って小さい頃から刻み込まれているんですよ。だから、人の役に立ちたいという気持ちが自分の根底にあります」

その静かな思いに火をつけたのが、2011年3月に発生した東日本大震災だった。その頃、鮎川さんは地元に近い福岡の税理士事務所で働いていた。

「なにか力になりたくても、九州にいながらできることは限られていました。当時は寄付をしたりボランティアに行ったりすることも、金銭的に難しくて」

それでも「なにもしない」という選択肢は鮎川さんになかった。ピンポイントで東北を支援するのではなく、もっと大きな枠組みで社会に貢献できないか。たどり着いたのは、「雇用を生み出す」という考え方だった。

「会社をつくって雇用を生む。それが社会への貢献になるんじゃないかと思いました。ボランティア精神はずっとあったのですが、20代後半に差しかかって、自分の時間だけを差し出すやり方は一生続かないなと感じたんですよね」

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【スーツケースひとつで上京、部屋がなかなか決まらない】

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