イベントは決して楽ではない。10時間立ちっぱなしの日もある。終われば体はボロボロになる。それでも、「まだできる」という感覚を少しずつ取り戻していった。
さらに周囲のラーメン店主たちも支えになった。数々のラーメン職人たちが自然と手を差し伸べた。
「行くよ」
「手伝うよ」
その言葉に、何度も救われたという。
病気を経て、人もラーメンも変わった
そして今年5月7日、地元・朝霞に「NOBU kitchenぬーどる」がオープンした。
立ち上げは想像以上に大変だった。かつて当たり前に使っていた道具や備品すら思い出せない。細かな作業で混乱し、「こんなにできなかったっけ」と愕然としたという。
それでも、不思議なことがあった。ラーメンを作る動きだけは、体が覚えていたのだ。
「ラーメンなかったら、俺ほんと復活できてないです」
現在の一杯は、かつての「カネキッチンヌードル」とは少し違う。以前は都内で戦うため、インパクトを重視した。ガツンと来る強さを求めていた。だが今は、だしの奥行きや柔らかさ、余韻を大切にしている。
「今のほうが、自分らしいかもしれないですね」
病気を経て、人もラーメンも変わった。
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【「頑張ってるっていうより、生かされてる」】
