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成田悠輔の「選挙不要論」は正しかったのか?トランプ再選で露呈した、フェイクに溺れる民主主義の限界

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エビデンスの罠
なぜ人々はエビデンスより“信じたい話”を選ぶのでしょうか?(写真:tetsuro125/PIXTA)
  • 杉谷 和哉 岩手県立大学総合政策学部准教授
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この後の、2017年1月22日に放映されたインタビューで、コンウェイはスパイサーの発言の是非を問われた。この返答としてコンウェイは、スパイサーが「もう一つの事実を述べた」と発言して擁護した。この際に用いられたのが「オルタナティヴ・ファクト」に他ならない。

フェイクニュースを用い、動かぬ事実を突きつけられても、自分たちが依拠しているのはオルタナティヴ・ファクトであると開き直るトランプの登場を受けて、世間にはポストトゥルース論が溢れかえった。

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そんなトランプの大統領一期目の終盤で世界を襲ったのが新型コロナ感染症だった。未知のウイルスによるパンデミックは、世界中を混乱に陥れたが、それはトランプの支配する米国も例外でなかった。

トランプの感染症への対策は的外れなものも多く、結果として2020年の選挙でトランプは敗北を喫した。トランプが敗北を素直に認めず、彼の熱狂的な支持者がパニックを起こしたことも、よく知られている。

フェイクニュースをどれほど巧みに駆使しても、感染症をないことにはできなかった。フェイクニュースの使い手として、大きな成功を収めたトランプの末路は、科学を軽視する愚かな政治家の弱点をこれ以上なく明らかにしたものとして、数ある歴史の教訓の一つになるだろう。トランプが始めたポストトゥルースの政治という劇場は、このようにして幕引きとなる。多くの人がそう思ったかもしれない。

2024年の大統領選で再登場したトランプ

しかし、このような期待はあまりにあっさりと裏切られた。2024年の大統領選で、トランプが再び大統領に選任されたのである。再登場したトランプは、始末の悪いことにコロナ対策の失敗を経て反省した訳ではなかった。それどころか、かねての得意技でもあった陰謀論をさらに強化し、ポストトゥルースの体現者として、フェイクニュースをバラ撒くことで、ジョー・バイデン及び、その後継者であったカマラ・ハリスとの選挙戦を制したのである。

トランプが大統領選で繰り出したフェイクニュースはさまざまなものがある。中でも、2024年9月10日のカマラ・ハリスとのテレビ討論会において、移民がやってきて住民のペットを食べている、などと発言したことは、大きな話題を呼んだ。

なお、このようなフェイクはトランプ以前から米国に広まっていたようである。もちろんこれは、典型的なレイシズム、移民蔑視に基づいたフェイクなのだが、これを支持する人々も少なくなかった。

かくして時代は、フェイクニュースがはびこる、ポストトゥルースの時代に再突入した。

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