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がんになっても"聞きわけの良い"患者になってはいけないワケ 専門医が助言「勇気を奮って、伝える努力をすること」

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医師と患者
がん患者は医師の前で良い患者に“なろうとしない”ことが大切だといいます(写真:Luce/PIXTA)
  • 山口 建 静岡県立静岡がんセンター名誉総長
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ただし、最近では、少し事情が変わり、「患者にとって一番大切なこと」を知り、できるだけそのことを尊重する努力が払われるようになった。

患者の思いと医療の実践をつなぐ役割として、カウンセリング業務を担当する看護師やソーシャルワーカー、臨床心理士などが配置された病院も増加している。患者は、治療法の選択などに迷い、悩むようなときには、自分が大切だと思う生き方などを、医療スタッフに伝えたほうがよい。

意思疎通のために対話を

病気についての知識レベルには、患者と医療スタッフとの間で大きな差がある。特に、治療の初期には、患者は「自分のがんを正しく理解するために必要な医学的知識が不足している」という不安を抱えている。

それが満足なレベルに達するには時間がかかり、がんの進行はそれを待ってくれない。

また、医療スタッフの多くは重い病気の経験がない健康な人々である。患者の苦痛やつらさや思いは、ある程度、過去の診療経験から学んでいるものの、自らの体験としてはなかなか理解が及ばない。そこで、お互いの意思疎通のためには対話が欠かせない。

患者1人ひとりはそれぞれの個性や考え方を持っている。これまでの人生経験をもとにプライドを持ち、自分のこれまでの生き方を守ろうとする。

ところが病気の場合には、医療スタッフの指示に従わねばならず、ときに自尊心が邪魔をして、医療スタッフや周りの患者とうまくいかず悩むことがある。

医療スタッフとの円滑な対話のためには、理解できないことや疑問に思うことを率直に尋ねることが、患者の大事な役割だと思う。治療に伴う体調の変化や痛みなども積極的に伝えるのがよい。

その結果、治療効果が正しく判定され、つらさを和らげるための治療を速やかに受けることができる。

また、さまざまな思いを率直に医療スタッフに伝えることも適切なケアにつながる。忙しい毎日を送る医療スタッフにとって、ものいわぬ患者の心を推し量ることは容易ではない。

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