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高齢者の幸福感を左右する「近所のスーパー」の意外な力《千葉大学の研究チームが明らかに》大型モールでも健康効果?

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スーパーで買い物する男性
高齢者にとって買い物は健康面から考えても良い機会となっているようです(写真:Luce / PIXTA)
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「買い物というと、食べ物を買うという行為だけが想起されがちなのですが、その活動を細かく見ると、いろいろな要素があります。お店に行くことは外出をすることになりますし、よく行く店舗の場合、顔見知りと会ったり、店員さんと挨拶することもあります。

高齢者の場合、特にこの傾向が強く、人との交流につながっています。また別の研究では、献立を考えることが認知機能に良いとも言われています。買い物という行為はいろいろな要素が絡んでおり、これが心身の健康やウェルビーイングにつながるのだと考えています」(小林氏)

無人レジより有人レジ

人手不足などを背景に、地方でも無人レジの導入が進んでいる。しかし、高齢者の認知症予防やQOL向上という視点で見ると、有人レジの持つ役割は小さくないようだ。

最近では、あえてゆっくりと会計ができる「スローレジ」の取り組みも全国で始まっている。お金を出すのにもたつくことに引け目を感じ、買い物に行きづらくなる高齢者もいることから、焦らずゆっくり会計できる環境を整え、買い物の機会を維持しようという目的で始まったものだ。

小林氏らの研究チームは、この活動を近隣の小学生の職業体験と組み合わせたイベントとして実施。地域住民の利用が多い食料品も扱うドラッグストアと協力し、店内にスローレジレーンを設けた。レジを担当したのは子どもたちだ。

生まれて初めてのレジ打ちに、レジ作業がもたつくこともあるのだが、もともとゆっくりとした会計を望む利用者が並ぶため、客側もレジの遅さを不快に感じることがない。

また、子どもがレジに立つことで、利用客が積極的に声をかける場面も多く見られた。参加した子どもは10人だったが、そのうち7人が「客から声をかけられた」と答えている。

スローレジを利用した高齢者からは、「子どもが頑張っている姿を見ると元気になる」といった声も寄せられた。

(画像:千葉大学提供)

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【大型ショッピングモールの効用】

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