今後、日中のメンテナンスはどのように広げていくのか。JR東日本は、「具体的な線区は今後検討していく」として路線名などは示していないが、「代替交通機関や並走線区など、各線区の利用状況に鑑みて、お客様、地域の皆様のご理解を得ながら実施線区を検討していく」とする。
ただ、京浜東北線のように並行する他線の線路を使って列車を運休せずに工事ができたり、自社の路線で代替できたりする路線は決して多くない。都心部の路線は、平日のラッシュ時以外であっても運休すれば影響は大きい。例えば24年11月、京浜東北線大井町駅のホーム拡幅工事で品川―蒲田間が始発から午後4時過ぎまで運休した際は休日だったが、影響人員は約16万人に及んだ。
代替ルートをいかに確保できるかは、首都圏の都市部で日中メンテナンスを拡大するうえでの大きな課題となるだろう。
運行トラブルを減らせるか
列車の運休や運転変更を伴う日中のメンテナンス作業の拡大は、利用者に多少なりとも不便を強いる面があるのは否定できない。
それでも、現場で働く作業員の労働環境改善につながるということであれば、多くの利用者は理解を示すはずだ。ただ、JR東日本に対しては相次いだ運行トラブルや、もともと予定されていたとはいえその直後の運賃値上げなどを背景に、厳しい視線が向けられているのも事実だろう。
同社は「お客様への影響を考慮しながら実施線区の拡大を進めるとともに、早期かつ丁寧なご案内に努めていく」としている。運休や運転変更を伴う工事には、利用者の理解が欠かせない。そのためには早期かつ丁寧な説明はもちろんのこと、実際にトラブルを減らして安定輸送につなげられるかが極めて重要だ。
