会社には、華々しく成果が確認しやすい仕事も、縁の下の力持ち的な仕事もある。活躍や成果に基づいて給与を決めればよいとは限らないのである。このことを肝に銘じた上で、人事制度は検討すべきなのである。
個人能力の見極めは難しい
本来の意味
・能力を基準に、等級・評価・処遇・担当職務・配置・キャリアなどのさまざまな人事を検討・決定すること
現実
・能力の内容について語れる人は社内に誰もいない
・能力に基づいて……と言いつつも、その能力の内容については、経営者も管理職も結局は厳密にはわからないことをいいことに、経験年数やそのときどきの仕事の出来・不出来で決定する
・本当の意味で能力を基準に人事を決めたことがある人は社内にはいないことがほとんど
《解説》
能力に基づきさまざまな人事を決定するには、次の2つが必要となる。まず仕事に求められる能力を理解すること。そしてもう一つが、人材が持つ能力を把握・理解することである。
近年、仕事に求められる能力は大きく変化している。求められる能力が高度化するケース、反対に能力が不要になるケースもある。AIの普及による、業務プロセスの変化などはその一例である。
加えて、個人能力の見極めは本当に難しい。たとえ管理職になったとしても、「人の持つ能力を把握する技術」がたちどころに身につくわけがない。しかし管理職になると部下の能力の把握を突然求められる。
したがって、能力主義を採用するなら、経営はかなりの覚悟を持って、管理職全員がアセッサーになるぐらいの力を身につけられるような努力をすべきである。なぜなら管理職は人の能力を引き出すのが仕事なのだから。

