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社長「利益が出たタイミングで給料上げる」エース社員が"創業以来の最高益"の翌月、退職届を出した必然の理由

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社長は本心で「利益が出たら還元する」と言っていました(写真:life-shooting / PIXTA)
  • 安東 邦彦 ブレインマークス代表取締役
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7年目の春、会社の売上は創業以来の最高額を記録します。全社朝礼で誇らしげに数字が共有された日、Bさんは「今年こそ」と思っていました。

しかし、その年の面談でも、C社長の口から出た言葉は「もう少し待ってくれ」でした。

面談後、Bさんはトイレに入り、しばらく出てきませんでした。怒っていたわけではありません。ただ、何かが静かに折れた音がしたのです。

退職届を出したのは、その翌月のことでした。C社長は、目に見えて動揺します。

「なんで今なんだ。やっと利益が出てきたのに」

Bさんは、静かに答えました。「社長が嘘をついていたとは思っていません。ただ、7年待ちました。その間に物価は上がって、家族の生活は少しずつ苦しくなり、市場の相場とも差が開き続けました。もう少し待てば変わるかもしれない、とずっと思ってきました。でも、信じることに疲れました」

C社長は、何も言えませんでした。

「利益が出たら還元する」は美徳ではない

C社長は、本心で「利益が出たら還元する」と言っていました。問題はその言葉ではなく、言葉の順序にあります。

「業績が良ければ還元する」という順序は、長らく日本の中小企業では一種の美徳とされてきました。利益が確定してから動くほうが堅実で、身の丈に合っている――そう信じられてきたのです。

しかし、この順序はもはや機能しません。理由は3つあります。

第一に、物価上昇のスピードが、賃金据え置きに追いつけないほど速くなったこと。5年間給与が変わらないということは、社員にとっては実質的な減給を5年間受け続けたのと同じ意味になります。

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【「後払い」は危険な経営スタイル】

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