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新薬承認から2年「認知症治療」はどう変わった? 予備群から使える一方、実際に治療を受けているのは「たった2割」のワケ

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受診風景
画期的な新薬が承認されて2年あまり。「認知症治療」はどう変わったのでしょうか(写真:Ushico/PIXTA)
  • 君塚 靖 えむでぶ倶楽部ニュース編集部 記者
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疾患修飾療法とは聞き慣れない言葉だが、症状を改善する対症療法とは異なり、病気の原因などに働きかけて、進行のスピードを遅らせたり抑制させたりする治療をいう。

井原氏は同センターを受診した患者を対象に、新薬による治療を開始した患者がどの程度の割合だったかを調査した。

その結果、2023年12月~25年4月に治療薬を希望した456人のうち、詳しい検査をしたのは205人、最終的に新薬の投与を開始したのは87人(19%)で、治療を受けているのは治療を希望した人の2割弱であることがわかった。

この調査では、治療を受けられなかった理由についても調べている。

それによると、▼検査で病状が進んでいることがわかり、新薬の適応外となったケース、▼適応の条件である「脳内のアミロイドβの蓄積」が確認できなかったケース、▼患者・家族側が副作用(アリアという脳のむくみや出血)を懸念するケース、▼通院(新薬は定期的な通院・検査が必要となる)を負担に感じて治療を受けないケースなどがあった。

このほか、75歳以上の高齢者や症状が軽い患者のほうが、通院しながらの治療を負担だと感じる傾向があり、治療を受ける割合が低いことも明らかになった。

井原氏は、「アルツハイマー病の新薬は、重症度が高くないほうが効果が高い。このことを、患者さんにもっと啓発していかなくてはいけない。今後の課題は、地域の診療所の医師と連携し、最も効果が期待される“超早期”の患者さんが前向きに治療に臨めるようにすること」と強調する。

認知症4つのタイプの割合

ところで、どんなタイプの認知症患者がいるのだろうか。

前出の医療ビッグデータで見たのが、下のデータだ。この数字は、確定診断を受けた人の数と、血液検査や画像診断を受ける根拠として使用される「疑い病名」がついた人の数を合算したものになる。

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【4大認知症の割合は?】

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