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ライフ #法医学者がみた「働き盛りの死」の正体

"血液サラサラ"の遺体…解剖医が語る<健康そのもの>だった元ラグビー部の35歳が大型案件終了後に突然死したワケ

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突然死
神田さんは大型プロジェクトを終え、休暇に入る予定でした(イメージ写真:kouta / PIXTA)
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では、神田さんは何が原因で亡くなったのでしょうか。私の出した結論は、心室細動などの特発性の致死性不整脈によって起こった「青壮年急死症候群」、いわゆる「ポックリ病」です。

ポックリ病とは、20代、30代の男性が深夜、唸り声を上げて苦しみ出し、突然亡くなる病態をいいます。解剖しても前述のような急死の所見だけで、明らかな病変が認められないのが特徴です。休日の前夜に起こることが多いことでも知られています。

ポックリ病が起こるメカニズムは解明されていないので、ここからは私の推論になりますが、おそらく不規則な生活によって自律神経のバランスが崩れたのではないでしょうか。

連日働き詰めのアクティブモード(交感神経)が休暇のリラックスモード(副交感神経)に切り替わるときに何らかの異常が起こり、心拍数や血管の収縮・拡張が不安定になり、心臓に負荷がかかった。

それによって心室細動とよばれる特発性の不整脈が起こり、心臓が急に止まった。最終的には脳に血液が行かなくなり、死に至ったと考えられます。

不整脈には、急死の所見以外に明らかな病変がみられないという特徴があります。労災認定と絡むこともあるため、法医学者は他の病気で亡くなった可能性を慎重に潰していき、最終的にポックリ病と判断しています。

神田さんの死因は「致死性不整脈(推定)に基づく急性うっ血性心不全」となりました。

ポックリ病で亡くなった人の「共通項」

解剖が終わり、警察から神田さんの背景情報の共有がありました。

神田さんは高校、大学でラグビー部に所属していたスポーツマンでした。勤め先の広告代理店では営業を担当。いくつもの案件を掛け持ちして、長時間勤務が常態化していました。仕事柄、業務や付き合い酒が深夜に及ぶこともあったといいます。

しかし、会社の健康診断で引っかかったことは一度もなく、病気で通院していた記録もなし。周りからみれば“健康そのもの”です。本人も体力に自信があったのではないでしょうか。

これまで私が解剖したポックリ病で亡くなった方々の職業には「共通項」があります。広告代理店や証券会社の営業担当者、新聞記者、看護師、医師、遠洋漁業船の乗組員など。いずれも「不規則かつ長時間にわたる仕事」です。ご遺族によると、「仕事人間」だった方も多いようです。

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【亡くなるのは圧倒的に男性】

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