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ライフ #法医学者がみた「働き盛りの死」の正体

"血液サラサラ"の遺体…解剖医が語る<健康そのもの>だった元ラグビー部の35歳が大型案件終了後に突然死したワケ

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突然死
神田さんは大型プロジェクトを終え、休暇に入る予定でした(イメージ写真:kouta / PIXTA)
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神田さんのご遺体が私のいる大学の解剖室に運ばれてきました。ご遺体に一礼して、検案から始めます。

外表上には

  • 顔面のうっ血*
  • 紫赤色の濃い死斑*
  • 外頸静脈の怒張*
  • 唇や爪が青紫色に変色するチアノーゼ
  • まぶたの裏側に溢血点とよばれる点状の出血

などがありました。

*うっ血……特定の部位に血液が多く溜まった状態
*死斑……皮膚を透かしてみえる血の色がつくる斑(まだら)模様。人が亡くなると心臓が停止して血液が停滞し、重力にしたがって低い位置に移動する(例:仰向けで亡くなったご遺体なら背中側に死斑が出る)。濃い紫赤色の死斑は、虚血性心疾患や脳血管疾患などで急死した場合にもみられる
*外頸静脈の怒張……首の下に2本ある心臓に血液を戻す外頸静脈に血液がたまり、青く浮き出ている状態

これらは、いずれも心臓が急に止まるような病気で急死した場合や、首絞め・首吊りのような「窒息死」で亡くなった場合にみられる所見です。

神田さんの場合、検案だけでは死因がわからなかったため解剖に進みました。顎の下にメスを入れ、下腹部までI字に切開して体内を観察します。

すると、暗赤色の流動性血液がみられました。流動性血液とは「血液サラサラ」状態のこと。これも急死したご遺体にみられる所見です*。

*時間をかけて亡くなった場合、ご遺体の血液には「軟凝血」とよばれる柔らかい血液の塊や「豚脂様凝血」とよばれる豚の脂のような白い塊が混じり、ドロドロになる。血液の状態で短時間で亡くなったのか、時間をかけて亡くなったかを推測することができる

ほかにも、肺の強いうっ血・水腫*、諸臓器のうっ血が認められました。心臓の内膜には、微小な凝血の付着もありました。

*水腫……特定の部位に水分が多く溜まった状態

神田さんのご遺体は外表上だけでなく、体内の所見も急死の特徴を示していたのです。

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ただ、これらの所見は神田さんが急死したことは教えてくれても、なぜ亡くなったかまでは教えてくれません。

心筋梗塞であれば、冠状動脈の硬化や狭窄、心筋の炎症や壊死のように臓器や組織そのものの異常が認められますが、それもない。脳、心臓、肺など全臓器を取り出して調べましたが、やはり異常は見当たりませんでした。

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【神田さんは何が原因で亡くなった?】

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