「学習性無力感」は組織とメンバーの成長を止めてしまいます。新しいことに挑戦する組織づくりの第一歩は、「学習性無力感」を招かないリーダーの言動からはじまります。
表彰式は「良い仕事のやり方」を共有する場所
多くの会社では、年度のはじめや半期ごとにキックオフや社員総会を開催しているのではないでしょうか。そのイベントの中で、期間ごとのMVPや優秀マネジャー、優秀チームなどを表彰するコーナーを設けている会社も多いでしょう。
そこで考えてほしいのは、その表彰式は「何のために行っていますか」「最大の効果を出せていますか」ということです。
表彰する目的は、いろいろあります。本人のモチベーションアップのため。「次は自分もあの場所に立ちたい」と思ってもらい、社員の士気を高めるため。チームの一体感を高めるため。まだまだほかにもあるでしょう。
コンサルタントという仕事柄、多くの会社の表彰式を見てきましたが、その目的の中で、大切なのに忘れられがちなことがあります。それは、表彰式は表彰されるほどの良い行動を共有して、ほかの社員にも真似してもらい、組織全体の仕事の質を高める機会であるということです。
「忘れられがち」と書いたのは、表彰者の受賞コメントが、もったいないケースが多いからです。「支えてくれた上司とメンバーのおかげで、目標を達成できました。このような賞をいただくことができ、本当にありがとうございます」だけで終わってしまうことがほとんどなのです。
受賞のコメントで伝えてほしいのは、どのような思いで取り組んだのか、具体的にどのような仕事の工夫をして優秀な成果を出せたのか、そのノウハウです。
表彰式をきっかけに、受賞者の仕事のやり方をみんなが真似してくれるようになるには、聞いている側に「自分ごと化」させる工夫が必要です。「自分ごと化」とは、対象物を自分自身の問題としてとらえ、当事者意識を持って主体的に物事に取り組むようになることです。
実際に工夫している例を紹介しましょう。
①まず、受賞者には「聞く人が参考になるような、業務で工夫した点を、コメントに具体的に織り込んでくださいね」と依頼します
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【話を「聞く側」の姿勢も大切】
