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ビジネス #粉飾地獄 不正会計の闇

第三者委員会が暴いたニデックの「粉飾地獄」/不正を隠蔽し市場も欺く、大企業のガバナンス不全が露呈

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記者会見で頭を下げるニデックの経営陣
「重大な会計不正事案を起こし、お詫び申し上げる」と述べ頭を下げるニデックの経営陣(撮影:梅谷秀司)

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投資家を欺き、資本市場への信頼を失墜させる不正会計。不振企業のみならず、日本を代表する大手企業も相次いで粉飾に手を染めており、その闇は深い。

京都駅から車で南西に約30分。国道沿いにそびえ立つ高さ100mのビルに、人が慌ただしく出入りする姿が目立つようになったのは2025年秋のこと。総勢200人規模の弁護士や会計士が、過去の財務諸表や、取引書類などのチェック作業に追われていた。

リスクの疑いのある会計処理の一つひとつについて、会計士が妥当性を確認。少しでも不審な点が見つかれば、弁護士がその背景を探り、原因を究明するという地道かつ途方もない作業に明け暮れていたのだ。

彼らが調査していたのは、25年に火を噴いたニデックの不正会計問題。当初は社内の監査等委員会主導で調査していたが、ニデック本体やグループ会社の経営陣が関与・認識していた疑いが強まり、9月3日に第三者委員会が設置された。

委員長には、東京地検特捜部上がりの“ヤメ検”で、弁護士に転じた後も多くの企業不正を調査してきた西村あさひ法律事務所の平尾覚弁護士が就任。委員には、証券取引等監視委員会への出向経験もあり、オルツをめぐる不正会計の第三者委の委員も務めた白井真弁護士に加え、やはり多くの不正会計の調査経験を持つ公認会計士の井上寅喜が就き、脇を固めた。 

しかし、多くのグループ企業を抱えるニデックを3人で調査するのは不可能。そこで、3人が所属する事務所をはじめとした弁護士や会計士が連日、早朝から深夜まで調査に奮闘した。

通常、不正会計を調査する第三者委は、特定の部門や子会社の問題について、同様の問題がほかでも起きていないかといった調査が中心となる。

しかし今回は、グループ企業を横断する不正が疑われ、ニデック側が「資産性にリスクのある資産全体」という調査目的を設定したため、かつてない広範囲な調査となった。

そこで第三者委がまず取り組んだのが、グループ企業も含めた全体像の把握と、事前に行われた社内調査の結果の徹底した読み込みだった。そのうえで調査が足りていない部分について、弁護士と会計士がタッグを組んで事実認定していくという作業を進めた。

検察捜査さながらの調査

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