仕事帰りの利用や軽い会食などを想定した構成で、従来の「気軽に立ち寄る場」とは異なる方向性を打ち出している。いずれにせよ、「誰でも居られる」従来型のフードコートに対して、新型フードコートは「顧客の取捨選択」が進んでいるのだ。
「おしゃれな再開発」が生む、見えにくい排除
そのなかで、有明ガーデンの事例は変化を比較しやすい。有明ガーデンは20年開業の大型商業施設で、館内に2つのフードコートを持つ。5階の「Ariakeダイナー」と、25年1月に新設された2階の「ARIAKE FOOD STAGE」だ。
同じ運営会社が5年の間隔を空けて手がけた2つの空間を比べると、設計思想の違いが明確に表れている。
5階の「Ariakeダイナー」は、約900席を備えた家族向けの大型フードコートだ。平日昼12時の時点で6〜7割が埋まり、ベビーカーを押した家族、学生グループ、一人客など、客層は幅広い。サイゼリヤで見られたような、多様な利用者が同じ空間に共存する光景に近い。
設備もこうした利用を前提に整えられている。椅子は一般的な高さで背もたれがあり、杖を掛けても先端が床に届く。ハイチェアの小上がりエリアは一部に限定され、ソファで区切られた席も用意されている。
店舗案内も、デジタルサイネージに加え、低い位置に写真付きの看板が設置されており、車いす利用者でも視認しやすい。
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【2階はハイチェア主体・短時間利用が前提】
