政府は2025年5月に「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」(以下ゼロプラン)を開始し、出入国在留管理庁(以下、入管庁)は不法残留外国人の送還に力を入れている。クルド系トルコ国籍者(以下クルド人)の犯罪や迷惑行為が問題となり、日本の外国人問題の縮図となった埼玉県川口市で、「クルド人問題」は解決に向かっているだろうか。
私は、この問題を中心に移民の現状について、25年2月出版の拙著『移民リスク』(新潮新書)で詳述したが、改めて今年3月、川口に行って現状を取材した。
今でもクルド人による騒音やゴミ出しの問題が続き、交通事故も多発する実態は続いており、地元住民が平穏な生活を望んでいる状況に変わりはなかった。
「立ち小便禁止」のトルコ語看板
「立ち小便禁止」を掲げる掲示が、川口市北部木曽呂地区にあるゴミ集積所に掲げられていた。
今年3月22日、そのゴミ集積所に行くと、日本語、英語、トルコ語、中国語、韓国語、ベトナム語が併記された「吸い殻を捨てるな」の看板とともに、「これはトイレではありません」とトルコ語で書かれた看板が2枚掲げられていた。
集積所はちょうど住宅地と畑の境界に位置していて、畑に面してコンクリートブロックの塀がある。近所の住人に話を聞くと、「半年くらい前、毎日のように、クルド人の少年が、集積所の塀の前でタバコを吸い、おしっこをしていた。家の前の道を父親と歩いているところを見たこともあるから、畑の向こう側のアパートに住んでいるクルド人一家の中学生だ。クルド人は中学生ともなると、解体業で親の手伝いをして学校に行かない子が多い。朝働きに行って夕方帰ってきて、塀の前でタバコを吸っている。タバコは家に持って帰れないのだろう」と話した。
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