リスクとワクワクという、高校生の先輩たちが自分たちの哲学で選び抜いたロールモデルたちについて、今度は中学生の後輩たちが教材として学び、進路選択に活用する。この連鎖は、単なるイベントの継承ではない。評価されるために探究するのではなく、自分の価値基準で世界を見立てるために探究する。その新しい循環の始まりである。
雪まつりに肩を並べるイベントにしたい
学生審査委員の1人は、熱を込めてこう語ってくれた。
「このアワードを今後『さっぽろ雪まつり』と並ぶようなものにしていきたい。ほかの高校にも声を掛けて、全道の10代を巻き込んでいきたいですね」
もしそんな未来が実現するなら、それは単に一つのイベントが大きくなるという話ではない。大人に評価されるための「忖度探究」から、若者が自分たちの価値基準で世界を選び取り、その価値観を次の世代へと手渡していく探究へ。北海道から始まったこの小さな実践は、形骸化しつつある探究学習を、若者の手に取り戻すための具体的なヒントになるのではないか。
