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「探究学習」が大人向けアピールに化けるワケ 高校生が自ら"評価基準"を作って起きた変化

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丸のサインを持つ学生
学生たちが自ら「評価基準を作る」取り組みとは?(写真:yuto@photographer/PIXTA)
  • 山本 尚毅 日本総合研究所創発戦略センター所属
  • 山口 大輔 河合塾学校教育サポート本部学校事業推進部部長
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こうして生まれた優等生的な探究に対して、教員もそれを真正面からは退けにくい。生徒の進路決定に責任を負う教員自身の背後にもまた、その探究を評価する別の大人たちが控えているからだ。

最近では、校内の探究活動のリソースを確保するために、学校が地域や企業、財団に頼るケースも多い。だが、外部資源に依存するほど、学校にはその活動の意義や成果を、外部にとって分かりやすい言葉で説明する圧力がかかる。

そんなとき、SDGsや地方創生など、どの大人が見ても美しく見える生徒の探究学習は、教員にとっても都合が良い。こうして探究学習は、子どもの問いを深める場というより、大人に説明しやすい成果を整える場へと少しずつ変質していく。

これでは、前回の「子どもの進路選択には『第3の大人』が必要だ」で述べたような、親や教師に忖度して進路を決める構図と本質的に変わらない。

もし今の「探究学習」が、自らの好奇心やワクワクに従って世界と出会う営みではなく、大人に評価されるための語りを整え、大人の期待に応えるための、生徒の「自己演出」に成り下がっているのだとしたら、そこには果たしてどんな教育的価値が残るのだろうか?

全国で1万人以上が学ぶ「進路選択表」

その点、第1回で取り上げた立命館慶祥中学校・高等学校(北海道江別市)による「進路選択表」を使った取り組みは興味深い。

進路選択表は私たちが開発した進路選択プログラム「ミライの選択」の中に登場するものだ。

頭の中にある進路意思について、縦軸に選択肢(どのようなものから選ぶのか)を置き、横軸に自分なりの判断基準(どうやって選ぶのか)を書いて整理する表である。

表を描くことで、生徒が進路を考える時に、親や先生に「忖度」することなく、自分の考えを表現し、他者に伝えることができる。

「進路選択表」の使い方は、現在全国で1万人以上の高校生が学んでおり、立命館慶祥では、在校生のうち2人に1人が表の使い方を体得している。

そんな中、立命館慶祥の生徒の一部が、進路選択ではなく有志で始めた活動の中で、進路選択表を使いはじめる出来事があった。

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