――ウクライナや中東でドローンの存在感が急速に増しています。この変化をどうみていますか。
私が装備庁長官だった2022年末に策定されたのが、現在の安保3文書(日本の防衛政策の基本方針。「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」で構成される)だ。その中の「国家防衛戦略」で、ドローンをはじめとする無人アセットはゲームチェンジャーになりうる、と位置づけている。先見性は評価できると思う。
激変した戦場、日本のスケジュール感は遅い
ただ、「おおむね10年後までにドローンを用いた戦い方を具体化し、本格運用を拡大する」と記されているが、進化のスピード、スケジュール感は率直に言って、想定を完全に上回っている。
――ここ数年で何が大きく変わったのですか。
大きく5つの変化がある。
第1に、ミサイルと安価なドローンを組み合わせた大規模な複合攻撃が常態化した。従来、軍事用ドローンといえば、アメリカ製の「RQ-4 グローバルホーク」や「MQ-9 リーパー」のように、1機数十億円の大型機のイメージだった。しかし現在は、ウクライナなどを見ればわかるように、小型・安価・高性能なドローンを大量投入する戦術へとシフトした。高価な艦艇や航空機を、安価なドローンで打撃する戦い方が主流になっている。
第2に、防御側の戦術とコスト概念が変わった。大量に飛来する安価なドローンに対し、1発数億円の迎撃ミサイルを撃つのは現実的ではない。防御側も、デコイ(おとり)の配置、対空機関砲や迎撃ドローンの活用、施設のシェルター化など、コストを極限まで抑えた対応を迫られている。
――3つ目以降の変化とは。
第3に、AIを使った意思決定の「超高速化」がある。ドローンの長時間滞空能力とAIによるデータ処理を組み合わせることで、目標発見から攻撃までの時間が劇的に短縮された。
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