実は、「メンツ」はビジネスシーンで正しさ以上に優先されるもの。良かれと思った提案が、相手には否定と受け取られるリスクもあるのです。新刊『同僚とのつきあい方』を監修した経営コンサルタントの勝木健太氏が、不必要な摩擦を避けて円滑に仕事を進めるためのコツを解説します 。
メンツは正しさの上を行く
仕事で意見が割れたとき、その発言内容が正しいかどうかはともかく、「人前でどう言われたか」「どんな言い方をされたか」、こうしたことに、年上世代は思っている以上に敏感なところがあります。
「おじさんの9割はメンツでできている」というのは、社会人を数年続けた人なら誰でも共感できる言葉ではないでしょうか。
「おばさんは?」という疑問が湧くと思うのですが、なぜか、男性のほうがメンツへのこだわりが強いようなのです。
メンツと言うと、少し大げさに聞こえるかもしれませんが、要は「きちんと扱われていると感じられるか」「自分の立場が守られていると思えるか」という、とても人間的な感覚です。
ところが、若手や中堅の人が、悪気なくやってしまいがちなのが、メンツを傷つけるもの言いです。
「それ、今のやり方だと効率悪いですよね」
「最近はこういう方法が主流みたいですよ」
内容としては、たしかにもっともです。
ところが、言われた側は、「これまでのやり方を否定された」「経験を軽く見られた」と感じてしまうことがあります。
そうなると、話の中身よりも先に、気持ちのほうが引っかかってしまいます。「言っていることは正しいとしても、何となく気分がよくない」。そんな状態になると、少しずつ気持ちが嚙み合わなくなっていきます。
これは、メンツという見えないポイントに触れてしまった結果、と考えたほうが自然でしょう。
「正しいことほど、口半分に言う」とはたしかに人間関係をよくしていく知恵かもしれません。特に相手のメンツを考えるなら、「正しいこと」の伝え方は、要注意ポイントになると思います。
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【たったひと言添えるだけでいい】

