テレビでよく、世代間ギャップを取りあげる番組を目にします。中高年世代にはわからない、最近の若者の流行を紹介するもの。あるいは、昭和~平成世代のヒットメドレーを懐かしむ音楽番組。昭和の常識と令和の常識を比較して楽しむクイズ番組。
こうした世代間ギャップは、エンタメとして楽しむ分には害のないものですが、職場では楽しんでばかりもいられない、切実な問題をはらんでいます。
職場で起きる軋轢(あつれき)は「解釈のずれ」から生まれることも多いものです。特に世代が違う相手とのあいだでは、同じ言葉を使っていても、前提としている価値観が異なることが少なくありません。
たとえば「仕事に本気で向き合う」という言葉。中高年世代にとっては「多少の残業や休日対応は当たり前」という意味合いを含む場合が多いと思います。
一方で、若い世代は「ワークライフバランス重視」「生産性を上げて勤務時間内で成果を出す」ことを前提に社会に出てきています。
その考え自体は、今の時代としてまっとうなものです。ただ、現実問題として、経験の少ない段階から、効率よく成果を出せる人はほとんどいないでしょう。
ここに、ちょっとした、しかし見逃せないずれが生まれます。
上の世代から見ると「残業してでもやり遂げる覚悟がない」「本気度が足りない」と映り、若い側から見ると「非効率なやり方を押しつけられている」「時代に合っていない指導法だから自分が成長できない」と感じてしまう。
このずれに気づかないと、どんどん関係がこじれていってしまうのです。
価値観の違いに気づけるかどうかが鍵
長時間労働が当たり前だった時代に社会人になった人と、働き方改革やコロナ禍を経験した世代とでは、「仕事」と「生活」の優先順位が違っていて当然でしょう。
大切なのは、相手を変えようとすることではなく、価値観の違いが存在するという前提に立ち、「相手の価値観のおおもとはどこにあるのか」「(その価値観において)どういう言い方をしたら相手の尊厳を傷つけるか」を知っておくことではないでしょうか。
総じて考えると人間関係でつまずかないためには、お互いの価値観の違いに気づけなければなりません。
世代間ギャップを理解し、うまく距離を取れるようになると、年齢に限らずさまざまな人間関係のずれにも対応しやすくなるはずです。
職場ではさまざまな年代の人が働いていますから、世代間ギャップの問題はつねにつきまといます。
しかし、それは悪いことばかりではありません。中高年世代にしてみれば、若い世代と話すことで流行を教えてもらえたり、人権感覚をアップデートできたりします。
一方、若い世代はベテラン世代との関わりから、業界のこれまでの裏話を教えてもらえたり、自分がその年代になったときの働き方をリアルに想像できたりするのです。
いろいろな世代の人と親しく関われるという、職場ならではの特徴を、ぜひ有意義に使ってみてください。
