とくに「翠(SUI)」は、ジンソーダという新たな飲用スタイルの定着を追い風に、業務店での取り扱い店舗数が3万店を突破。そのカジュアルさと、食事の邪魔をしない飲みやすさが支持され、1店舗あたりの提供杯数も増加。販売数量ベースでも、24年に96万ケース*1(前年比116%)と伸長し、26年には98万ケース規模を見込んでいるという。
一方、「ROKU〈六〉」はグローバル市場での成長が際立つ。国内販売実績も23年の2.1万ケース*2から、25年には3.1万ケースへと拡大するなど着実に伸長しているが、輸出実績は、同期間で29万ケースから、41万ケースへと拡大。わずか2年で約1.4倍に成長してきただけでなく、販売実績の約9割を海外が占めるなど、日本発のプレミアムジンとして存在感を強めている。
つまり同社は、「翠(SUI)」で国内の飲用シーンを広げ、「ROKU〈六〉」でグローバル市場の価値を高めるという二軸で、ジンカテゴリーそのものの拡張を図っている構図だ。
さらに注目すべきは、カテゴリー全体の伸びしろである。同社の見立てでは、国内ジン市場は25年時点で約247億円と推定しており、30年に約450億円規模(約1.8倍)まで拡大する余地があるとみている。
こうした中での今回の投資は、新規事業への挑戦というよりも、すでに立ち上がりつつある需要を確実に取り込むための増強投資と位置づけられる。
見学施設にも10億円投資のワケ
もう一つの焦点が、見学施設への投資だ。実際に製造現場を見ても、生産効率だけでなく、見せることを前提とした設備配置になっていることが分かる。
「当社のスピリッツ・リキュールにおけるものづくりの魅力を、お客様に直接体感していただきたいという思いから、今回、一般公開を決定しました。製品だけでは伝えきれない、素材を活かした原料酒づくりやブレンドによる味わいの設計など、当社のものづくりへのこだわりを実際の現場でご体感いただくことで、お客様に、ブランドの価値をより深くお伝えし、当社製品のファンになっていただきたいと考えています」
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【年間来場者は約5000人を見込む】
