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ニデックは上場廃止回避できるか、株主との対話焦点-第三者委調査終了

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(写真:ブルームバーグ)
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刑事責任を問われる可能性は

第三者委はニデックが刑事責任を問うべきかについては対象外として踏み込まなかったが、日本経済新聞は証券取引等監視委員会が金融商品取引法に抵触する可能性で調査する方針を固めたと報じており、今後刑事事件として立件する可能性があるのかも注目される。

過去には、オリンパスが損失隠しなどを行い、元経営陣や指南役計7人が金融商品取引法違反などの容疑で逮捕された。一方、約7年間にわたって1500億円超の利益水増しを行った東芝を巡っては、刑事事件の立証には至らず、結果的に時効を迎えた。監視委が金商法違反に当たるとして約74億円の課徴金を勧告したのにとどまった。

青学大の八田氏は、「会計の量的重要性の観点では立件の可能性は少ない」との見方を示した。さらに質的重要性の観点でも、永守氏の経営の悪質性を第三者委員会は読み取れないとしていることから、立件はされず課徴金で幕引きするのではないかとみる。

ただ、経済犯罪は直接的な被害者だけではなく、特に上場会社の場合は不特定多数のステークホルダーにも多くの悪影響が及ぶという自覚が必要であり、「ステークホルダーの感覚としては、これを課徴金で終わらせるようなら、日本のマーケットに対する国際的な信頼は失墜すると思う」と述べた。

株主などの圧力で変われるか

ブルームバーグのデータによると、ニデックの筆頭株主は依然として8.3%を保有する永守氏だが、3月には香港のファンド、オアシス・マネジメントによる6.74%の大量保有が明らかになった。アクティビスト(物言う株主)として知られるオアシスは既にニデックに取締役候補1人を提案し、抜本的な企業文化の改革を求めている。

第三者委による調査報告書では、株主としての永守氏の影響力をなくすため、株式処分や権利行使を制限すべきとの議論もあり得ると指摘されていた。ただ、永守氏による判断を必要とする事項であり、ニデックが講ずべき再発防止策として取り上げるのは適当ではないと思われるともしている。

急落した株価を受けて、今後は株主による損害賠償請求訴訟に向けた動きも活発化しそうだ。ニデックは永守氏とオアシスに加え、そのほかの株主とも向き合う必要がある。

青学大の八田氏は、日本企業を改革するには訴訟と外圧しかないが、今回は両方が待ち構えており、「ニデックにとっては長期にわたって苦難の道が待っている」と話す。

再成長をどう描くか

ニデックは永守氏の強烈なリーダーシップに加え、合併・買収(M&A)も活用し、売上高2兆円超のグローバル企業に成長。31年3月期に売上高10兆円の目標を掲げてきた。

だが、社内外の調査にあるように車載事業を含む業績達成へのプレッシャーやM&A後の統合不全が重なり、岸田氏は昨年11月の時点でM&Aは交渉も含めて停止していると明かしていた。

SMBC日興のリポートでは、M&A以外の既存事業で売上高をどの程度成長させていけるのかも含めて、まずは等身大の同社の実力がどういう水準にあるのかを計る局面にあると指摘された。

第三者委の報告書では、一連の不正会計は「モノづくり企業としてのニデックの実力に疑問符を投げかけるものではないと考えている」と明言。ニデックの真の実力を示すことができれば、市場からの信頼は確実に回復するとの見方を示した。信頼回復への道は長期戦が見込まれるが、改善措置を確実に実行していく地道な対応が求められる。

著者:古川有希

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