筆者が秀逸と感じたのは、前作の設定を無理なく引き継ぎつつ、オマージュした作りが見られる点だ。
異なる点は大きくふたつある。
かつて中年の未婚者は「独身貴族」とも呼ばれポジティブな意味を含んでいたが、晩婚化が深刻な問題となっている昨今では痛々しさがともなう。アラサーへの変更は、余計なノイズを出さないための予防線だったのかもしれない。
タイパを求める現代の視聴者は、過不足なくサクサクと展開するドラマを期待する。放送前はSNS上で「攻めたキャスティング」を不安視する声もあったが、蓋を開けてみれば「意外と面白かった」という声が多かったのは時間の問題も大きいだろう。
個人的には、この点こそが強みでも弱みでもあると感じた。平成版は演出や展開にツッコミどころもあるが、伝わらないもどかしさ、すれ違いや葛藤、意中の相手が振り向いたときの高揚感などを丁寧に描くことで、登場人物に厚みをもたらしていた。
時間の短縮は、単純にその幅を制限してしまう。とくに光の婚約者である音があまりに誠実で、今のところ太陽の恋敵として機能していない点が懸念される。
