「離乳食メーカーとしてはアピールしていませんでしたが、刻む、加熱、攪拌が1台で完結する機能に、ユーザーが自発的に価値を見いだしてくれたんです。そこからさらに口コミが広まっていきました。メーカーとしても役割の重みを感じましたね」
実は筆者も、料理好きの友人からの評判を耳にして発売日にいち早く通販で購入し、そこからほぼ毎日愛用している。スープさえあれば、あとは米かパンを用意し、肉か魚の切り身を焼いて、カット野菜を添えれば立派なディナーができあがる。子どもがなかなか食べない野菜も、「自動調理ポット」に牛乳とコンソメとともに放り込んでしまえば、栄養たっぷりのポタージュが完成。共働き育児の救世主となった。
50人のファブレス組織が生む、超速チューニング開発
ウィナーズは自社工場を持たないファブレス企業だ。岡野氏の実家は東京下町の工場だったが、熟知していた「製造」をあえて経営から切り離し、企画とデザインに特化した。
「今の中国の製造レベルは著しく高く、パワーがある。我々のような小さな企業がこれだけの数の家電を作るためには、現地のパートナーが不可欠です。中国に現地法人も作り、生産ラインの確保や調整、クオリティチェックができる人員がいます。旧正月など生産スケジュールの壁もありますし、円安の影響は出ていますが、それでも自社でリスクを負うよりも販売価格を下げられる。結果的に、お手頃な価格でお楽しみいただくことができました」
驚くべきは、その開発スピードだ。レコルトは、モデルチェンジのスパンが非常に短い。さらに、年間10〜12個ペースで新商品を出している。大手家電メーカーとは違い、自社工場がないため、一気に大量生産ができない。無理な発注をかけてしまうと、工場側も品質よりも納品数を優先し、クオリティが落ちるからだという。しかし、だからこそ、小ロットでどんどん改良ができるそうだ。
次ページが続きます:
【家電量販店に依存しない販売戦略】
