もともとのスープ需要に加え、健康意識の高まりや物価高による節約志向も追い風になった。2023年、名称を「自動調理ポット」と一新し、豆乳中心だった訴求を見直して、スープ需要に軸足を移したかたちで再出発を図った。
「スープメーカー」と名付けなかった、巧妙なポジショニング
興味深いのは、明らかに「スープ作りのため」に購入しているユーザーが多いにもかかわらず、製品名に「スープメーカー」という言葉をあえて使わなかった点だ。
「『スープメーカー』で検索すると、もっと鍋っぽい、重厚な製品が出てきてしまう。私たちが作りたかったのは、キッチンに出しっぱなしにでき、電気ケトルのように気軽な『ポット』でした」
機能も徹底して絞り込んだ。大手メーカーがAI搭載やスマホ連携で多機能化を競う中、レコルトは「一つの機能が突出して便利なこと」を優先した。
「色々な機能を付けると、買った方の重荷になる。『これも作らなきゃ』『もっと使いこなさなきゃ』という負担を感じる方も多いと考えたんです。それよりは、帰宅して、着替える間に材料を放り込めばいつの間にかスープが完成している、くらいの温度感が良いんじゃないかと。今の暮らしには、そのくらいのハードルの低さが必要だと感じたんです」
材料を放り込んで待つだけ、という「タイパ」の高さは、思わぬ需要も掘り起こした。SNSを中心に「離乳食や幼児食作りに最適」と話題になったのだ。しかし、メーカーとしては「離乳食」を前面には打ち出していなかったのだという。
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