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週1勤務のパート出身女性が社長に…中小企業を一変させた"脱・下請け"経営のすごい中身

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かつて週1日勤務のパート従業員だった女性が変えた(写真:特殊衣料)
  • 坂本 光司 経営学者、人を大切にする経営学会会長

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中小企業の多くは、取引先に依存する「下請け構造」から抜け出せないと言われています。しかし、北海道・札幌にある社員121人の企業は、その常識とは真逆の道を選びました。外部に依存せず、自ら市場をつくる「独立型」の経営へと舵を切ったのです。その結果、同社は100を超える自社商品を生み出し、福祉分野で独自の地位を築いています。しかもこの会社を成長させたのは、かつて週1日勤務のパート従業員だった女性でした。
なぜ同社は、「下請け」ではなく「市場をつくる企業」へと変貌できたのでしょうか。こうした経営を実践する企業が、北海道・札幌にある株式会社特殊衣料です。坂本光司氏の著書『日本でいちばん大切にしたい会社9』をもとに、その実像をひもといていきます。

特殊衣料が注目を集める3つの理由

札幌駅から車で20分ほど走った札幌市西区の工業団地の一角に、特殊衣料という中小企業があります。社員数は121名。医療機関や福祉施設などが使用するタオルや衣類のリネンサプライ、福祉用具の販売、介護保険を利用した用具のレンタル、福祉分野の多彩な自社商品の企画・製造販売などが主な事業で、福祉業界はもちろんのこと、地域社会からも高く評価されている実にユニークな企業です。特殊衣料がこのように注目され、高く評価されている主な要因は、3つあります。

第一は、現会長の池田さんの存在です。池田さんはもともと、特殊衣料に週1日勤務のパート従業員として入社しました。その後、経営手腕と実績が認められ、抜擢されて2代目の社長になり、大人の布おむつの洗濯を主事業としていた小規模な会社を変身させ、今日までに成長させてきました。

諸外国と比べて日本は、女性の経営者が少なすぎます。家族の問題もあるでしょうし、男性重視の経営の考え方・進め方にも原因があるでしょう。女性の活躍が期待されるソフト・サービス社会に突入しているにもかかわらず、多くの企業ではまだハード重視・モノ重視といった、男性主導の経営が行われています。しかし池田さんは、チャンスと権限があれば、男女関わりなく、すばらしい会社に変えられることを見事に証明してくれました。

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【パート従業員から社長に】

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