「それでは、今から肉を焼きますのでその間、皆さんはバーベキュー用の外で火をおこすことにチャレンジしてみてください」
「火をおこす?」
「はい。ライターやマッチなどではなく、原始的な方法で。発火のための道具は一揃いあるので、好きなものを使ってください」
私たちは火花を出すための金属の棒や木片、新聞紙、段ボールやタコ糸などが用意されているところに案内されました。各自、「きっとこれが必要だろう」と思うものを持って、外に出ます。
バーベキューコンロを囲み、まずは最年長Nさんから。金属の棒を勢いよく擦り合わせ、火花を散らしてそれを新聞紙に……と何度か頑張りますが、火花は出ても一瞬で消えてしまい、新聞紙に火花の穴すら開きません。
「意外と難しいね」
次は私がチャレンジしますが、やっぱり同じです。
順番に試してみて、唯一の男性Tさんが何とか着火に成功しましたが、これを維持するのがまた難しい。うちわで風を送り、燃えやすい紙類を千切って必死で火を絶やさないようにします。
「どうですか。成功しましたか」
扉が開き、祥子さんが顔を出します。
「はい。なんとか」
「よかったです。これでバーベキューもできますね。それでは皆さん、準備が整いましたので中にお入りください」
ローストイノシシにパテ
朝から何も食べていない私たちは、お腹がぺこぺこです。ワクワクしながら中に入ると、カウンターには見た目も華やかな料理が所狭しと並んいました。
「わあー」
全員が感嘆の声を上げました。色とりどりの野菜、肉を使った料理の数々。焼きたて食パンは、1斤丸々あります。先ほど見たイノシシのバックリブは祥子さんがその場で切り分けてくれました。
「好きなだけお皿にとって、お召し上がりください」
バイキング方式で、私たちはめいめいが自分の皿にローストイノシシやイノシシのパテ、ワカメ入りオムレツ、コロッケなどを載せていきました。一度ではなく、何度も取りに戻る気満々です。
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【ジビエツアーに乾杯~】
