「切る/戻す」の両方向で手応えの変わらないステアリングフィールや、規則正しく正確無比なトランスミッションの操作性はもとより、アクセル、ブレーキ、クラッチのすべてのペダル感覚が完全に連携する。だから発進、停止を繰り返す渋滞路でもまったく苦にならない。操る感覚の密度が高いとも言い換えられる。
こうした身体にピタリとシンクロする感覚は、意外なことにこれまで4台試乗してきたBEVとも共通する。
BEVは各国の自動車メーカーが世に送り出しているが、その開発者の多くは次のように口を揃える。
「電動モーターの駆動力をそのままタイヤに伝えればBEVはもっと速くなりますし、技術的にも可能です(例:日産「リーフ」は0.1ミリ秒=1万分の1秒単位での制御が可能)。しかし、非日常的な加速力には身体がついていけません。気持ちよく走れないのです。また、過剰な速さは電力の浪費にもつながり、電費性能も悪くなります。だから、車体と身体が一体化(シンクロ)していると実感できるよう、我々はアクセル操作に対するわずかな遅れや、その先の加速フィールにも抑揚を演出して、人が気持ちのよいと感じられる加速フィールを造り込んでいます」
BEVでもICEVで共通する一体感
ポルシェにはじまり各ブランドが送り出している内燃機関のスポーツカーは軽さ(試乗したカレラTは1510kg)とドライバーとの一体感を武器にする。今回試乗した4台のBEVは軽さとは対極で車両重量はかさむが(Model 3の1765kg~リリックの2650kg)、電動駆動モーターの特性を造り込み加速フィールに抑揚をつけることで、スポーツカーとは趣は異なるが、それでもドライバーとの一体感は高かった。
言い換えれば、ドライバーの気持ちが高ぶる躍度(時間あたりの加速度変化率)には、BEVとICEVの違いはなく、ひとつなのではないか。これは今回のリリックしかり、過去に東洋経済オンラインでレポートしたロールス・ロイススペクターしかりだ。
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