「街にこだわりはなかった」から「家族で住むならここ」へ―池袋から20分、中古戸建て購入した42歳語る"大泉学園"のリアル
状況に合わせて選び直し、使える制度を調べ、働き方も住まいも、その都度組み替えてきた。計画通りではないけれど、暮らしは前に進んできた。
興味深かったのは、この地域の家族構成だ。
少子化と言われるなかで、小山さんの周囲には子どもが3人いる家庭も珍しくない。
ひとりっ子の家庭のほうがむしろ少ないという。
「幼稚園では、フルタイムの会社員のお母さんはほとんどいなかったんです。私はリモートでも、ゆっくり昼休みをとる余裕がないくらい働き詰めだったけれど、周囲はパートの方が多くて」
共働き世帯は増えている。
それでも、この街には、どこかゆったりとした“地元型”の子育て文化が残っている。
子どもが小学校にあがり、学童のお迎えをきっかけに、ようやく同じように会社員として働く母親たちと出会ったそうだ。
そしてもうひとつ、印象に残ったのが、Uターンの多さだった。
「娘の友達で、おばあちゃんがすぐ近くに住んでいる子が本当に多いんです。土地があって、家を建てるケースもあるみたいで。このあたりは、戻ってくる人が多いようです」
生まれ育った街に戻る人、結婚後もそのまま住み続ける人。
理由はそれぞれだが、Uターンが多いという事実は、この街が長く住むに足る環境を備えているということの、ひとつの証拠といえるだろう。
街との関係がかたちになった「家」
6年前、家族は大泉学園で中古の戸建てを購入した。
建売住宅には惹かれず、大手の注文住宅は予算的に現実的ではない。
そこで小山さんが探したのが、好みの家づくりをする地元の建設会社が手がけた中古物件だった。
たまたま一軒だけ、大泉学園で見つかった。
小さな庭と木の温もりがある家。
ほぼ即決だったという。
「特別な街を選んだわけじゃないんです。でも、暮らしていくうちに、ここが自分たちに合う場所になっていきました」
強いこだわりがあったわけではない。けれど、子どもが生まれ、働き方を考え、生活を重ねるなかで、街に求めるものは少しずつ輪郭を持ちはじめた。
駅前の利便性、公園の余白、住宅街の静けさ。それぞれは大きな特徴ではないかもしれない。しかし、子育て期の家族が暮らす場所として、その組み合わせは確かな意味を持つ。大泉学園は、そういう街だ。
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